メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

アベノミックスの正念場、2014年下期から15年上期の経済にかかる

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 2011年、大震災と津波によってサプライ・チェーンが分断された事などかあって日本経済はマイナス成長に陥ったが、2012年12月、安倍政権が誕生して以来、景気回復は順調に進んできている。いわゆるアベノミックスが今のところ大きな成果を生んできているのだ。

 アベノミックスの第一の矢は金融の積極的緩和。2013年3月黒田東彦日銀総裁が誕生して以来、「異次元緩和」が実施され景気回復が急速に展開し始めている。アグレッシブな量的緩和は1ドル80円前後まで円高になっていた円ドルレートを再び1ドル100円台まで押し戻し、株価もここ1年半で50%以上も上昇してきたのだった。

 「列島強靭化」政策と呼ばれるインフラの再整備も効果をあげつつある。日本の社会インフラの多くは1964年の東京オリンピック前後につくられたものが多く、かなりの老朽化が進んできている。幸い2020年の東京オリンピック開催も決定された。今後は既存のインフラの再整備だけではなく、東京を中心に多くの公共事業が執行されていくことになるだろう。

 アベノミックスの第一の矢、そして第二の矢は順調に進展し、日本経済の成長率は過去20年の平均0.9%から2%前後まで上昇してきている。海外でのアベノミックスの評価も急速に高まり、日本経済が再び海外からも注目され始めている。

 筆者のところにも、アジアの国々や欧米からもアベノミックスについて講演をしてくれという依頼がかなり寄せられてきている。このところの

・・・ログインして読む
(残り:約603文字/本文:約1231文字)