メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

[26]生産年齢人口の減少・・・日本をはじめ、東アジア共通の現象

齋藤進 三極経済研究所代表取締役

 日本の生産年齢人口(15歳以上・65歳未満人口)が、32年ぶりに8千万人を割り込んだことが、大きなニュースとして取り上げられた。昨年の2013年10月1日時点の推計人口では、総人口は1億2729万8千人で3年連続の減少、生産年齢人口も前年に比べて116万5千人減少して、7901万人となったのだ。

 生産年齢人口の減少は、日本だけのことではなく、中国、韓国、台湾、香港などの他の東アジア地域に共通の現象である。換言すると、人口の年齢別構成が、急速に高齢化する事態に共通して直面していると言えよう。

 ほとんどの国は、国際労働機関の基準に則って、15歳以上ないしは16歳以上を生産年齢人口の年齢の下限としているが、上限に関しては、国・地域ごとに異なるのが実状である。

 日本の隣の中国では、15歳以上・60歳未満を生産年齢人口としている。この定義では、中国でも、既に2012年には、生産年齢人口は減少に転じたと、中国政府・国家統計局では推計している。日本のように、生産年齢人口の年齢上限を65歳未満としても、2017年前後には、中国の生産年齢人口は減少に転ずると見られている。

 日本、台湾、韓国、香港、中国の東アジア地域は、20世紀後半以降の60年余りの期間に、農業社会から工業社会・産業社会へと急速に変貌した。

 そのことが大きく影響し、出生率・死亡率の低下が急激に起こり、人口の男女別・年齢別構成を表示する人口ピラミッドが、非常に歪んだ逆ピラミッド型と言うか、下部が細っている花瓶型とも呼ぶべき形状になっている。

 日本の場合には、第2世界大戦直後に生まれて来た『団塊の世代』、その子供の世代である『団塊ジュニア世代』の人口数が突出して大きく、

・・・ログインして読む
(残り:約1157文字/本文:約1884文字)