2014年04月22日
『待機児童』はいま、日本国内にいったい何人いるのだろうか?
政府は「平成25年4月現在で保育所待機児童数は2.3万人」と答えるはずだ。2014年9月に公表している数字である。
私は、この人数について非常な違和感を覚える。総務省の調査によると、平成24年10月現在で就学前児童(0~5歳児)は634.2万人いる。この人数規模に比して2.3万人というのは、たった0.4%弱でしかない。
これはあまりにも小さい数字ではないか。そんなに少ないのに、待機児童問題が大きな政治的課題になっているのはなぜなのか。違和感の理由はここにある。
その答えは簡単に見つけられた。政府の待機児童の定義があまりにも狭いのだ。
待機児童とは、と問われたら、私も含めて多くの人は普通、「幼稚園や保育所に入れていない就学前児童(0~5歳児)」と答えるだろう。
しかし、政府がこれまで保育行政の対象にしてきた待機児童の定義(※)は、要するに「保育所の入所申込みをしたが、未だ入所できていない児童」に過ぎず、それ以外の多くの『保育所の入所申込みに至っていない児童』を含んでいないのだ。
そこで以下では、「保育所の入所申込みをしたが、未だ入所できていない児童」に止まらず、『何らかの保育サービスを必要とする待機児童(=潜在的待機児童)』の数を弾き出すことを試みたい。
厚生労働省の以下の三つの調査によると、保育サービスを受けている児童数として、平成25年4月現在で保育所利用児童数は222.0万人、平成24年3月現在で認可外保育施設入所児童数は18.5万人、平成24年3月現在で事業所内保育施設入所児童数は6.1万人である。
また、文部科学省の別の調査によると、平成24年度現在で幼稚園児数は160.4万人である。
以上の数値について、就学前児童数から保育サービスを受けている児童数及び幼稚園児数を単純に差し引くと、
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