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理研の笹井氏はウソをついている?-逃れ得ない共著者の責任

吉松崇 経済金融アナリスト

 問題のSTAP細胞論文の共著者の1人で小保方氏の上司である笹井芳樹・理研CDB(発生・再生科学総合研究センター)副所長が、4月16日、記者会見を行った。その中で、笹井氏は自身の責任と論文への関与について説明したが、その内容は看過できない問題をはらんでいる。

笹井氏の説明と論文の記載との食い違い

 笹井氏は, 上司としての監督者責任を認めつつも、この研究プロジェクトにおける自身の役割を「論文の作成には、

(1)研究のアイデアをもとに企画する

(2)実験を行う

(3)実験データを解析して図表を作成する

(4)論文の文章を作成する

 という4つの段階があるが、自分が関与したのは、論文発表前の2カ月、文章の作成にかかわっただけで、実験には参加していない。実験を行ったのは小保方氏と若山氏である。実験データは殆ど若山研究室で作られた」と説明した。

 だが、笹井氏のこの説明は、ネイチャー誌に発表された論文に記載された共著者の間の役割分担とは明らかに異なる。

 簡単な英文なので、そのまま引用する。

Contributions
H.O. and Y.S. wrote the manuscript. H.O., T.W. and Y.S. performed experiments, and K.K. assisted with H.O.’s transplantation experiments. H.O., T.W., Y.S., H.N. and C.A.V. designed the project. M.P.V. and M.Y. helped with the design and evaluation of the project.
(”Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency” (Nature 505 (641-647) January 30, 2014)
http://www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/full/nature12968.html#contrib-auth

 ここにイニシャルで表示されている人名は、H.O. が小保方晴子氏、T.W. が若山照彦氏、Y.S.が笹井芳樹氏である(他の方々も、イニシャルがそれぞれ誰を指すのか、論文の共著者名をあたれば明らかである)。

 ここには笹井氏のこの論文への貢献として、論文の文章作成に加えて、研究プロジェクトの企画と実験の実施が記載されている。実験を行って実験データの解析をやらないとは考えられないので、

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筆者

吉松崇

吉松崇(よしまつ・たかし) 経済金融アナリスト

1951年生まれ。1974年東京大学教養学部卒業。1979年シカゴ大学経営大学院(MBA)修了。日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)、リーマン・ブラザース等にて30年以上にわたり企業金融と資本市場業務に従事。10年間の在米勤務(ニューヨーク)を経験。2011年より、経済・金融の分野で執筆活動を行う。著書:『労働者の味方をやめた世界の左派政党』 (PHP新書、2019年)、『大格差社会アメリカの資本主義』(日経プレミアシリーズ、2015年)。共著:『アベノミクスは進化する』(中央経済社、2017年)。

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