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 かつて世界経済の一方のエンジンであった新興国市場が難しい局面を迎えている。1979年から2011年まで平均10%に近い成長を続けてきた中国も高度成長期から安定成長期に入りこのところ成長率は7%台に低下している。2012年、13年は7.7%。2014年もIMFは7.5%の成長率を予測している。

 6~7%の成長を続けてきたインドの成長率も4%台に下落。2012年は4.7%、2013年は4.4%まで落ちてきている。減速がさらに大きいのはロシアとブラジル、2013年はロシア1.3%、ブラジル2.3%だ。IMFの予測では2014年もロシアは1.3%、ブラジルは1.8%。

 中国・インド・ブラジル・ロシア・南アフリカはかつてBRICs諸国と呼ばれその成長率の長さが注目されたものだった。それが今やフラジャイル・ファイブと呼ばれる世界経済の中でも脆弱だとされる国にインドもブラジル・南アフリカもインドネシア・トルコとともに分類されている。

 このフラジャイル・ファイブの国々はいづれもインフラ率が高く、経常収支の赤字を出しているのだ。経常収支赤字と財政赤字のGDP比合計値がこの5カ国はいづれも5%を上回っている。

 特に悪いのがインド。2014年には合計値が12%を上回るとの予測だ。インド準備銀行(RBI)の総裁に新たに就任したラング・ラジャン総裁はインフレ抑制を目標に金融引き締めを実施しているが、高金利は当然成長率を下げることになる。

 加えて2014年は総選挙の年。現政権、国民会議派が経済状況の低迷、汚職の拡大等から支持率を大きく下げ、

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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