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[30]日本のGDPの水準、昨年春からほぼ静止状態

齋藤進 三極経済研究所代表取締役

 日本経済の国内総生産(名目GDP、経常価格評価・四半期別・年率換算・季節調整済)は、今年第1四半期(1月~3月期)、すなわち2013年度の最終四半期には、年率換算で5・1%の成長、インフレ率を割り引いた実質ベースでも、5・9%もの高成長を達成したとの見出しが、先週木曜日の新聞、テレビなどの報道を飾った。

 ちなみに、実質成長率(実質GDP成長率)が5・9%で、名目成長率の5・1%を上回っているとは、この差の0・8%の率で、日本経済全体の物価水準の変化率を表すGDPデフレーターが低下したことを表している。すなわち、インフレではなく、依然としてデフレ傾向を示したというのが、日本政府自身の推計結果であった。

 非常に高水準の経済成長率の公式推計値の公表にも関わらず、東京株式市場の日経平均株価(終値ベース)は、その後の2日間で2・1%もの下落を示した。対応するTOPIXも、同期間に2・0%の下落を見た。

 大方の説明は、今年第1四半期の高成長は、第2四半期初め、すなわち4月1日の消費税率の5%から8%への引き上げ前の一時的な駆け込み需要によるもので、その大幅な反動減が第2四半期には容易に予測できるからとするものである。

 確かに、今年第1四半期の名目GDPの約6兆円(四半期別・年率換算・季節調整済)の増加、実質GDPの約8兆円の増加のほとんどは、

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