2014年06月12日
「互いにプライドは高い。開発現場では双方が衝突しながらつくりあげた」――。日産自動車の西川廣人副社長はこう話す。
日産は高級スポーツセダン「スカイライン」に、独ダイムラー製の排気量2000ccターボエンジンを搭載した「2000GT-t」を追加し6月5日から発売を始めた。
日産・ルノー連合とダイムラーが資本提携したのは2010年4月だが、ダイムラーのエンジンが日産の主力車種に載るのは、今回が初めて。西川氏は、最終の作り込みまでの間セッティングなどをめぐり、日産とダイムラーの技術陣が一歩も譲らずにぶつかり合ったことを明かしたのだ。
搭載されたエンジンは「メルセデス・ベンツEクラス」に搭載されているのと同じタイプ。燃費性能はガソリン1リットル当たり13.6キロメートル、価格は383万4000円~456万8400円。「日本を代表する名車スカイラインに、ベンツのエンジン」の構図となった。
新型スカイラインは今年2月、国内販売が始まったばかり。当初は3500ccエンジンのハイブリッド車(HV)のみのラインアップだった。HVモデルの燃費性能は同18.4キロメートル、価格は462万4560円~569万5920円。今回モデルの方が、かなり割安である。
西川氏は会見で「ターボエンジンを追加して選択肢が広がった。(欧州車のシェアが高い国内の)プレミアム市場で存在感を示したい」と話した。
日本市場を皮切りに、今後は米、中、欧州でも発売していく。ベンツ製エンジンは当初、輸入して栃木工場でスカイラインに組み込む。しかし、今秋には日産の米デカード工場(テネシー州)でのエンジン生産に切り替え、日産向けだけではなくダイムラーにも供給していく計画だ。
エンジンは自動車の心臓部である。資本提携があるにせよ、日産はなぜダイムラー製エンジンの採用に踏み切ったのか。
排気量を小さくしたエンジンにターボなどの過給機をつけ、
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください