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ターボ付き欧州車が世界で快走、元祖日産はどこでズレたのか

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

 日産は6月、メルセデス・ベンツ製エンジンを搭載したスポーツ車「スカイライン200GT-t」を発売した。エンジンはターボチャージャー付き、排気量2リッターながら3.5リッターに匹敵するパワーを発揮する(右下の写真)。

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 エンジンは車の心臓だ。総合力の勝負であり、エンジニアは燃費改良や高性能化にしのぎを削っている。「要の技術を他社任せにしていいのか」「メーカーの魂はどこへ行った」という声が出ている。

 しかし、グローバル経営にまい進するゴーン社長にはそんなセンチメンタリズムは通用しない。ターボエンジンを今さら自社開発するより、外部調達したほうが開発の時間も費用も節約できる。

 200GT-tではベンツ製ターボエンジンの感触を楽しめる。アクセルを踏みこむ時の加速感、逸るエンジンの響きと振動。だが、「これこそスカイライン!」という意識は持ちようがない。「素晴らしい。次はやっぱりベンツにしよう」とならないか。

 ターボエンジン車は欧州車の独壇場になっている。ベンツ、フォルクスワーゲン、BMW、ジャガー、ルノーなどは2リッター4気筒ターボ付きエンジンの車を続々発売し、米フォードやGMも参入している。

 ターボチャージャー(過給機)は、エンジンの排気ガスの力を利用して空気を圧縮し、シリンダーに送り込む。加速時など大きなパワーを必要とする時にターボで補えるので、エンジン排気量を小さくできる利点がある。当然、燃費も向上する。

 他にも、エンジン重量が数10kg以上減って車体が軽くなり、燃費がさらに良くなる。製造コストが下がる。エンジンルームに余裕ができるので、メンテナンスが容易になり、 ・・・ログインして読む
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筆者

木代泰之

木代泰之(きしろ・やすゆき) 経済・科学ジャーナリスト

経済・科学ジャーナリスト。東京大学工学部航空学科卒。NECで技術者として勤務の後、朝日新聞社に入社。主に経済記者として財務省、経済産業省、電力・石油、証券業界などを取材。現在は多様な業種の企業人や研究者らと組織する「イノベーション実践研究会」座長として、技術革新、経営刷新、政策展開について研究提言活動を続けている。著書に「自民党税制調査会」、「500兆円の奢り」(共著)など。

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