メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

「成長」を阻む岩盤おやじ社会-「セクハラ」ヤジ問題の根深さ―

小原篤次 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

 東京都議会みんなの党会派の塩村文夏(あやか)議員(35)が、18日に開かれた都議会本会議の一般質問において、議場からセクハラというべきヤジを浴びせられた。塩村議員は、女性の妊娠・出産をめぐる都の支援体制などを取り上げていた。

記者団の取材に応じる塩村文夏都議=2014年6月19日、東京都議会議事堂、川口敦子撮影拡大記者団の取材に応じる塩村文夏都議=2014年6月19日、東京都議会議事堂、川口敦子撮影

セクハラやじの都議はアフリカの子どもを見て政治家決意

 この都議会での「セクハラ」ヤジが問題になってから5日後の23日、都議会自民党の鈴木章浩(あきひろ)都議(51)が、ヤジの一部を認めて謝罪し、会派を離脱したが、辞職はしていない。鈴木氏は会見で「不適切な発言で多大なご迷惑をおかけした」と頭を下げたうえで、「早く結婚した方がいいんじゃないか」とヤジを飛ばしたことを認めたものの、「産めないのか」とのヤジは否定している。

 鈴木都議は自身のホームページで、政治理念として、「学生時代にアフリカのスーダンでボランティア活動をしていた時、毎日多くの子どもたちが命を落としていくのを目の当たりにしました。その時、人々の暮らしにおいて正しい政治がいかに大切なものなのかを心の底から実感しました」としている。家族構成は、妻・一男二女の5人家族と公表している。娘さんを持つパパとしての役割、そして政治家としての政治理念はどこに行ったのだろうかと首をかしげざるを得ない。

 5日後になるまで本人からの申し出などはなかったため、都議会側は一時、発言者を特定するために声紋鑑定を検討する騒ぎとなった。西日本新聞には、政治評論家の森田実氏が「発言者は自分から申し出て謝罪すべきで、逃げるのは選挙で選ばれた公的な人間がやるべきではない」とコメントが掲載された。鈴木都議のセクハラやじとその後の行動は謝罪だけで済むことなのだろうか。男性社会の象徴である政界特有の問題の根深さが感じられる。

 男女雇用機会均等法が1986年に施行され、1997年改正では、職場におけるセクシュアルハラスメント(セクハラ)防止のための事業主の配慮義務が規定された。さらには、2007年改正では配慮義務が措置義務に格上げされ、男性に対するセクハラも盛り込まれるようになった。

 雇用側は就業規則などで、職場におけるセクハラの内容やセクハラがあってはならないという方針を社内ルールとして明文化し、 ・・・ログインして読む
(残り:約1033文字/本文:約1972文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
Journalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

小原篤次

小原篤次(おはら・あつじ) 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

長崎県立大学国際情報学部准教授。1961年、大阪府堺市生まれ。同志社大学法学部卒、国立フィリピン大学修士。朝日新聞社、チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)、みずほセキュリティーズアジア初代株式調査部長、みずほ証券リサーチ&コンサルティング投資調査部副部長を経て現職。【2015年12月WEBRONZA退任】

小原篤次の新着記事

もっと見る