2014年07月02日
いま、経済界の話題と言えばローソンの会長新浪剛史氏が、サントリーホールディングスの次期社長に決まった件である。新聞各社がトップニュースにしているし、驚きをもって受け入れられているようだ。1日には正式な記者会見があり、多くのメディアが詰めかけた。だが、私はあまり驚かなかったのだ。いや、驚かなかったわけではないが、「これは納得のいく人事だな」と思った次第だ。
まず、前提を確認しておきたい。経営者というのは、たとえオーナー企業であったとしても、そのタイミングにおいて、「最適」な人を、社内外を問わず、洋の東西を問わず、年齢も問わず登用するべきものである(ここで言うタイミングには、いつ誰に譲るかという視点も含めてである)。
また、別に若い人に世代交代をするのが最適とは限らない。少し前の資生堂のように、前社長が再登板することが最適というケースだってあるわけだ。
今回のケースで言うならば、社内にこのタイミングで「最適」な人材がおらず、新浪氏が「最適」な候補の一人だったということだろう。
日本企業において、外部から経営者を招く動きが最近、話題になっている。
資生堂が日本コカ・コーラの社長を経験したことのある魚谷雅彦氏を迎え入れたこと、アップルコンピュータや日本マクドナルドの社長を歴任した原田泳幸氏がベネッセ・コーポレーションの社長に就任したことなどは、今回のサントリー新浪剛史体制発表の際も事例として紹介されたので、覚えている人も多いことだろう。
他にも、KADOKAWAとドワンゴの経営統合の話についても、一大メディアグループを創るという野望もありつつも、角川歴彦氏のインタビューなどから、後継者としてドワンゴの川上量生氏を迎え入れるという動きだったとも捉えることができる。
「経営者」と比べるとそれほど話題にはならないものの、
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