2014年07月04日
「エリゼ宮の食卓」でフランスの饗宴外交を見事に分析した西川恵(毎日新聞社客員編集委員)が今度は日本の官邸や宮中のおもてなしに筆をすすめている。(「歴代首相のおもてなし」・宝島新書・2014年5月)
西川は政府等の饗宴は「政治の延長」であるという。通常、饗宴は会議や政治協議のあとにくつろいだ形で行われる。もちろん、会議が2日~3日にわたって行われる時は、食事が会議の間に入ることになる。
この場合も、くつろいだ食事の席は次の日の会議をスムーズにする役割を担うことになる。筆者も大蔵省時代、しばしば対外交渉を行ったが、交渉の間に入る食事は極めて重要である。
うちとけた食事と楽しい雑談は会議の間奏曲。翌日の会議をうまく行うためには必須の条件であるといえるのだろう。会話は、例えば、家族の構成や子供や孫の話。これなら共通の話題になるし、誰でもコメントできる事項だ。
もちろん、西川も指摘するように、食事の内容も極めて大切だ。ワインや食事の内容もさることながら、相手に対するちょっとした心遣いが重要になってくる。
2001年7月、就任して二カ月後の小泉純一郎首相を招いたフランスのシラク大統領は、エリゼ宮のワーキング・ランチで、海ザリガニや子羊を供したが、ワインは1997年のシャトー・タルボーと1988年のシャトー・シュバル・ブラン。
シャトー・シュバル・ブランは「白馬」という意味。1942年午年生まれの小泉首相に対し
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