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 「エリゼ宮の食卓」でフランスの饗宴外交を見事に分析した西川恵(毎日新聞社客員編集委員)が今度は日本の官邸や宮中のおもてなしに筆をすすめている。(「歴代首相のおもてなし」・宝島新書・2014年5月)

 西川は政府等の饗宴は「政治の延長」であるという。通常、饗宴は会議や政治協議のあとにくつろいだ形で行われる。もちろん、会議が2日~3日にわたって行われる時は、食事が会議の間に入ることになる。

うちとけた食事と楽しい雑談は会議に必須

 この場合も、くつろいだ食事の席は次の日の会議をスムーズにする役割を担うことになる。筆者も大蔵省時代、しばしば対外交渉を行ったが、交渉の間に入る食事は極めて重要である。

 うちとけた食事と楽しい雑談は会議の間奏曲。翌日の会議をうまく行うためには必須の条件であるといえるのだろう。会話は、例えば、家族の構成や子供や孫の話。これなら共通の話題になるし、誰でもコメントできる事項だ。

 もちろん、西川も指摘するように、食事の内容も極めて大切だ。ワインや食事の内容もさることながら、相手に対するちょっとした心遣いが重要になってくる。

シラク大統領の特別なはからい

 2001年7月、就任して二カ月後の小泉純一郎首相を招いたフランスのシラク大統領は、エリゼ宮のワーキング・ランチで、海ザリガニや子羊を供したが、ワインは1997年のシャトー・タルボーと1988年のシャトー・シュバル・ブラン。

 シャトー・シュバル・ブランは「白馬」という意味。1942年午年生まれの小泉首相に対し

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) 青山学院大学特別招聘教授、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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