市民生活に関わる公共の範囲を拡大し、シビル・ミニマムの引き上げを図れ
2014年07月08日
国民経済の運営では、非常に簡明で分かりやすい関係がある。
政府支出の拡大、すなわち公的需要の拡大は、生産設備、労働力などの生産能力に遊休部分がある場合には、インフレ率を大きく引き上げることもなく、民間需要、民間の経済活動の拡大を誘因して、国民総生産(GDP)を増大させるということである。
しかも、政府支出を拡大するか否かは、市場が決めるのではなく、国民から政権を託された建前になった政府が、自律的に決められることである。
GDPが増えれば、税率構造が変わらなければ、税収などの政府の歳入も増える。
反対に、政府支出を削減、抑制すれば何が起きるか。GDPの水準が低下し、低迷することになる。税収も低下、低迷する。
以上のような関係を、絵に画いたように示して来たのが、1997年度を分水嶺にした日本経済の推移であった。
1990年代に入り、株式、不動産などの資産価格の急落、いわゆる『資産バブルの破裂』と、景気の急激な悪化に直面し、日本政府は公共投資などの政府支出の増大、日本銀行も政策金利の大幅な引き下げで対応した。
その結果、バブルの破裂にも関わらず、日本経済の名目GDP(経常価格)は、1997年度まで増大を続けていた。
しかし、1997年度以降には、『財政再建』のために、政府支出の抑制が始まった。
その結果、何が起きたか。
公的需要の抑制に連動し、
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