2014年07月07日
VAIO株式会社が2014年7月1日にスタートした。
ソニーが日本産業パートナーズへPC事業を譲渡。資本金は、10億円で、日本産業パートナーズが95%を出資し、ソニーが5%を出資する。
社長には、ソニーでコーポレート企画推進部門長やVAIO&Mobile事業本部 経営企画部門長などを務めた関取高行氏が就任。新会社発足会見では、「PCの本質を追求し続け、それに加えて、+αの付加価値を提供できる製品づくりを目指す」と発言。「これまでのしがらみや思い込みには左右されず、それでいて、VAIOならではの審美眼に根ざしたものを作る。VAIOのDNAは継承する」と、新会社の製品づくりの方向性を示して見せた。
また、関取社長は「日本産業パートナーズの馬上英実社長から言われた第一声は、日本発のグローバルブランドとなったVAIOの火を消してはいけないというもの。私もその気持ちは同じだ」と語る。
VAIO株式会社は、ソニーのPC事業とはまったく規模が異なる。
ソニーでは約1100人の規模でPC事業を推進してきたが、VAIO株式会社では240人の規模だ。ソニーとして展開してきた2013年度には560万台の年間出荷規模を誇ったが、VAIO株式会社の2014年度の出荷計画は、30~35万台規模。16分の1にまで事業規模を縮小させる。
取り扱い製品は、ノートPCの「VAIO Pro 11/13」および「VAIO Fit 15E」に限定。販売地域は、これまでのグローバル展開から、日本国内だけに留める。VAIO Pro 11/13およびVAIO Fit 15Eは、ソニー時代から扱っていた製品。ディスプレイ下部に入っていた「SONY」のロゴは、「VAIO」に変更して出荷することになる。
VAIO株式会社としての新製品は、「年度内には出荷する予定。一点突破のVAIOらしい製品を投入する」(VAIO株式会社の赤羽良介執行役員副社長)としており、2015年早々にも発売される公算が強い。
そして、VAIOシリーズ用に用意されたアクセサリー類は、一度生産停止となり、今後、事業の拡大にあわせて、新たなラインアップを揃えることになる。
このように、従来のソニーのPC事業とはまったく異なる規模で、VAIO株式会社はスタートすることになる。いわば、日本発の小さなPCメーカーが誕生したことになる。
ただ、小さい規模でのスタートは、エンドユーザーにも、いくつかの影響を及ぼすことになる。
たとえば、規模の経済が大きく影響するPC事業において、主要部材の調達の面でコスト増となる点は避けられない。
「標準部品については、ODMの調達力を生かす」(関取社長)とするものの、マイクロソフトから調達するOSや、インテルから調達するCPUは、個別メーカーとの契約となるため、年間調達量が少ないVAIOにとっては不利に働く。関係者の試算によると、
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