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閣議決定で戦後日本の大転換、安倍政権への警鐘が鳴り始めた

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 7月13日の滋賀県知事選挙で与党候補が手痛い敗北を喫した。アベノミックスによる経済の好転で評価の高かった政権の支持率もここにきて低下し始めている。

 NNNが7月12~13日にかけて行った世論調査によると、安倍内閣の支持率は前月より3.1ポイント下落して45.2%と第二次安倍内閣発足後最低になっている。

 もっとも、不支持率は35.8%なので、まだ支持率が不支持率を上回っている状況だ。第二次安倍政権発足時には支持率は60%を上回っていたのだからたしかにそれに比べると低いのだが、歴代内閣と比べるとそれ程低い数字ではない。

 例えば、2008年9月の発足した麻生内閣は発足時の最も高い時でも45%、1999年に発足した小渕内閣の当初の支持率は25%だった。この意味で、安倍内閣は支持率が高い内閣で、しかも、その高い支持率をごく最近まで維持していた。

 その要因は、前述したように経済政策、特に積極的金融緩和が効果を上げ、順調な景気回復が達成されてきたからだ。2012年、13年の実質GDPの成長率はそれぞれ1.45%、1.54%と、1990年~2011年の平均値0.8%を大きく上回っている。

 第二次安倍政権の成立は2012年12月26日だが、その前後から、平均より高い成長率が維持され続けてきたのだ。2014年も今のところ順調で、2014年4月のIMFの予測では1.4%に達するとされている。

 経済の順調な推移にもかかわらず、安倍政権の支持率が低下し、滋賀県知事選で敗北を喫したことの最大の理由の一つは、おそらく、閣議決定で集団的自衛権の行使を限定的に認めることとしたためだろう。

 同じNNNの世論調査によると、

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