2014年07月22日
特定秘密保護法、特定閣僚で構成される国家安全保障会議、閣議による実質的な解釈改憲・・・と閉塞感が漂うなか、国内外でオープン・ガバメント・パートナーシップ(OGP)への参加を日本政府に求める声が高まっている。OGPとは何なのか?なぜ、今この動きが求められているのか?
2011年に8カ国で始まったこの国際的な活動を日本に紹介したのは、ローレンス・レペタさん(明治大特任教授、自由人権協会理事)である。後述するが、7月7日に東京で開催された「開かれた政府を作るプロジェクト キックオフシンポジウム~特定秘密保護法を越えて~」で講演し、オープン・ガバメント・パートナーシップ(OGP)とは何かを紹介した。
OGPは2011年にブラジル、インドネシア、メキシコ、ノルウェー、フィリピン、南アフリカ、英国、米国で発足し、2014年現在で64カ国(下図)が参加する。こうした国際的な組織は「OG(政府組織)」と「NGO(非政府組織)」が分かれて活動する場合が多いが、OGPでは運営委員会のメンバーが政府と市民の双方で構成されていることが特徴だ。
日本政府に対してOGPへの参加を強く求めたのは、キャメロン英首相である。今年5月1日に、英国首相官邸において安倍首相と首脳会談を行い、日英共同声明で次のような一文を盛り込んだ。
「我々は、透明性の高い経済、政府及び社会への我々のコミットメントを再確認し、英国は、日本が重要なイニシアティブであると考えるオープン・ガバメント・パートナーシップへの参加の検討を加速させるとの意欲を、歓迎する」
日本の姿勢を立てつつ背中を押す形である。
OGPへのキャメロン首相の積極姿勢は、2013年11月にロンドンで開催したOGPサミットで明確に示されている。「透明化革命」を世界に広げるものだと強調し、韓国と北朝鮮の経済発展の差を例にあげて、政府が開かれることは経済発展のために「あればいいね」ではなく、緊急かつ重要であると強調した。
その背景には、国際競争に直面する企業も巻き込んで、市民が参加する民主的な制度のもとで、国際市場環境を整えようとする意気込みが見える(参考動画 2013年ロンドンにおけるOPGサミットでの英国首相スピーチ<OGP公式YouTube>)。
出典 OGP Brochure
参加に向けた日本へのプッシュは今回が初めてではなく、また、日本に対してだけでもない。2011年11月11日にAPEC閣僚がホノルルで行った「オープンガバナンスと経済成長に関するハイレベル政策対話」(議長:ヒラリー・ロダム・クリントン米国務長官)では、「我々は、先般のオープン・ガバメント・パートナーシップの設立を歓迎し、
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