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キャメロン英首相が安倍首相に呼びかけたOGPとは

まさのあつこ ジャーナリスト

 特定秘密保護法、特定閣僚で構成される国家安全保障会議、閣議による実質的な解釈改憲・・・と閉塞感が漂うなか、国内外でオープン・ガバメント・パートナーシップ(OGP)への参加を日本政府に求める声が高まっている。OGPとは何なのか?なぜ、今この動きが求められているのか?

開かれた政府を求める国内外の声

 2011年に8カ国で始まったこの国際的な活動を日本に紹介したのは、ローレンス・レペタさん(明治大特任教授、自由人権協会理事)である。後述するが、7月7日に東京で開催された「開かれた政府を作るプロジェクト キックオフシンポジウム~特定秘密保護法を越えて~」で講演し、オープン・ガバメント・パートナーシップ(OGP)とは何かを紹介した。

ローレンス・レペタ氏 7月7日シンポジウムにて筆者撮影拡大ローレンス・レペタ氏 7月7日シンポジウムにて筆者撮影

 OGPは2011年にブラジル、インドネシア、メキシコ、ノルウェー、フィリピン、南アフリカ、英国、米国で発足し、2014年現在で64カ国(下図)が参加する。こうした国際的な組織は「OG(政府組織)」と「NGO(非政府組織)」が分かれて活動する場合が多いが、OGPでは運営委員会のメンバーが政府と市民の双方で構成されていることが特徴だ。

 日本政府に対してOGPへの参加を強く求めたのは、キャメロン英首相である。今年5月1日に、英国首相官邸において安倍首相と首脳会談を行い、日英共同声明で次のような一文を盛り込んだ。

 「我々は、透明性の高い経済、政府及び社会への我々のコミットメントを再確認し、英国は、日本が重要なイニシアティブであると考えるオープン・ガバメント・パートナーシップへの参加の検討を加速させるとの意欲を、歓迎する」

 日本の姿勢を立てつつ背中を押す形である。

「透明化革命」を世界に

 OGPへのキャメロン首相の積極姿勢は、2013年11月にロンドンで開催したOGPサミットで明確に示されている。「透明化革命」を世界に広げるものだと強調し、韓国と北朝鮮の経済発展の差を例にあげて、政府が開かれることは経済発展のために「あればいいね」ではなく、緊急かつ重要であると強調した。

 その背景には、国際競争に直面する企業も巻き込んで、市民が参加する民主的な制度のもとで、国際市場環境を整えようとする意気込みが見える(参考動画 2013年ロンドンにおけるOPGサミットでの英国首相スピーチ<OGP公式YouTube>)。

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出典 OGP Brochure

 参加に向けた日本へのプッシュは今回が初めてではなく、また、日本に対してだけでもない。2011年11月11日にAPEC閣僚がホノルルで行った「オープンガバナンスと経済成長に関するハイレベル政策対話」(議長:ヒラリー・ロダム・クリントン米国務長官)では、「我々は、先般のオープン・ガバメント・パートナーシップの設立を歓迎し、 ・・・ログインして読む
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筆者

まさのあつこ

まさのあつこ(まさの・あつこ) ジャーナリスト

ジャーナリスト。川で泳ぐことが好き。1998年より衆議院議員の政策担当秘書等を経て、東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程修了。博士(工学)。主な著書に、「四大公害病」(中公新書 2013年)、「水資源開発促進法 立法と公共事業」(築地書館 2012年)、「日本で不妊治療を受けるということ」(岩波書店 2004年)。共著等に「ダムを造らない社会へ」(新泉社 2013年)、「八ツ場ダムは止まるか」(岩波書店 2005年)など。

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