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「女性活躍内閣」の真贋、クォーター制導入の決意はあるか

小原篤次 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

 第2次安倍改造内閣は、一言で表現すれば、「政権維持内閣」である。

記念撮影に臨む安倍晋三首相と閣僚たち=2014年9月3日午後7時52分、首相官邸、西畑志朗撮影 記念撮影に臨む安倍晋三首相と閣僚たち=2014年9月3日午後7時52分、首相官邸、西畑志朗撮影

 前回総裁選挙のライバルである石破茂氏は地方創生相として、前自民党総裁で安全保障政策など政治スタンスが異なるとされる谷垣禎一氏は幹事長に取り込んだ。取り組まれた両氏も、政治家として、いささか戦意の欠如というか、ファイティング姿勢が脆弱であることが透けて見えた。

 小泉内閣の過去最多に並んだ女性閣僚5人との話題も、男性に比べて女性からの内閣支持率が低位にあることを考えれば、弱点の補強という意味合いも透けて見え、政権維持に向けた安倍首相の戦略を強く感じる。

相変わらずの政治の古さ、男社会らしさ

 組閣後のひな壇写真を見て、政治の古さというか、男社会らしさも垣間見えた。安倍首相を囲む形で、みごときれいに5人の女性が並んでいるからである。

 前列、安倍首相の左側には高市早苗・総務相、右側には小渕優子・経済産業相、二列目には、政治信条をアピールするかのように着物姿の二人が立った。安倍首相の左肩に、山谷えり子・拉致担当相、右肩に、有村治子・女性活躍担当相、そして三列目の中央に、松島みどり・法務相が並んでいる。社長や役員の周りを女性社員が囲むなど一般社会でもかつてはよく見られた光景ではあるかもしれないが、当選回数も含めて見事に並らんだものだ。

 朝日新聞社の7月の世論調査では、安倍内閣の支持率が最低となり、女性の支持率の低さが再確認されている。男性は「支持」が49%で、「不支持」の36%を上回っているものの、女性は35%対37%で、初めて「不支持」が「支持」を上回った。今年になり、男性に比べて女性の支持率が低下しており、消費税導入、特定秘密保護法案のほかに、集団的自衛権の行使容認などが拍車をかけたのではないだろうか。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11270860.html

自民代議士の当選回数上位には小池氏、野田氏、高市氏ら

 閣僚19人に対して女性閣僚5人で、女性閣僚比率は26.3%となる。30%を超えようとすれば、もう一人増やして文字通り、過去最高数となる女性閣僚陣にする必要があった。自民党サイトによると、現職の女性国会議員は40人。このうち衆議院23人、参議院17人である。

 自民党の衆議院議員294人に対して女性議員比率は7.8%、自民党の参議院議員114人で女性議員比率は14.9%である。衆議院当選回数の上位者には、

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