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日本を見習ったマハティール、89歳のいま日本を叱る理由

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 筆者は2004年から既に11年間、福岡県宗像市のグローバル・アリーナで「次世代リーダー養成塾」の塾長代理を務めている。塾長は歴代経団連会長、現在は東レの榊原定征会長だ。たまたま同姓だが、親族ではない。

 この養成塾を実務的に運営しているのは加藤暁子。元毎日新聞記者で東南アジアに詳しい。彼女はマハティール元マレーシア首相が1995年に日本経済新聞に書いた「私の履歴書」を邦訳したことなどから、マハティール元首相と親しい。こうした縁もあってマハティール元首相は2004年から毎回、養成塾で講義をしてくれている。

 周知のように、マハティール元首相は「ルックイースト」政策を掲げ、日本をモデルにマレーシアの近代化を進めた首相で1981年から22年間の長きにわたって政権を担当し、卓越した指導力によってマレーシアの高度成長を実現、国民生活を飛躍的に向上させたのだった。

 今年の夏、2014年8月初旬にもマハティール元首相は来日し、例年通り養成塾で講義をしてくれた。1925年生まれだから既に89才。しかし若々しく肌もつやつやしており、いまだに趣味の乗馬を続けているという。シンガポールのリ・クアンユー元首相とともに東南アジアの伝説的リーダーだ。

 マハティール元首相はまさに日本を見習って政策を進めたのだが、その彼が最近の日本は

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