2014年10月25日
たかが3%、されど3%。2014年4月以降、消費税率が5%から8%へと、3%引き上げられた。今年12月に安倍政権による見直しがなければ、2015年10月以降、さらに2%上乗せして、消費税率を10%に引き上げる予定になっている。
しかし、わずか3%の消費税率の引き上げが、日本経済の景況を大きく変えただけではなく、日本の政権党の内部にも、大きな動揺を呼んでいるようである。
実際に、日本経済の景況は、3%程度の消費税率の引き上げでは、腰折れしないと楽観していた多くの人々の予測を裏切って、既に景気後退期に入っていると言っても差し支えない。
・参考: ≪シリーズ≫データで考える日本の針路(42) 日本経済は、ミニ不況(ミニ景気後退期)入り?(2014/08/12)
与党・自民党内では10月22日、42人の議員本人が会合を催し、安倍首相に、2%の消費税率の追加引き上げを、1年半ほど延期することを進言するという。賛同議員数は、会合への代理出席37名を含めれば、合計79人に上るという。
日本の消費税と対比される欧州連合諸国の付加価値税の税率は、欧州連合加盟国は最低でも15%と決められ、最低水準のルクセンブルグの15%から最高水準のハンガリーの27%と幅があるが、ほとんどの欧州連合加盟国は、20%前後の税率を維持している。
ちなみに、北欧のスウェーデン、デンマークでは25%、フィンランドでは23%、国民経済の規模が大きいイタリア、スペインでは21%、英国では20%、フランスでは19・6%、ドイツでは19%である。
したがって、日本の消費税率が、たとえ10%にまで引き上げられても、欧州連合諸国に比べて、決して高いわけではない。
日本の財務省がそのサイトで示しているように、日本の国民負担率(社会保障負担+租税負担の国民所得に対する比率)は、欧州連合諸国に比べて、際立って低いのが実状である。日本よりも低負担の国である米国でも、個人所得税負担の国民所得に対する比率は、日本に比べ50%以上も高い。
では、日本では、少々の景気の悪化で、アベノミクスを推進し、消費税の引き上げにも賛成していたはずの与党議員の間にまで、なぜ動揺が走るのか。それとも、動揺は表向きで、
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