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低成長とディスインフレーションの時代

日本だけが2%の物価上昇を目指す必要があるのか、それは可能なのか

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 安倍晋三政権の政策目標の一つがデフレ脱却だとされている。しかし、デフレ脱却ははたして可能なのか、あるいは、望ましいのだろうか。

日本銀行は2%の物価上昇を目指し、さらなる金融緩和に踏み切っているが……拡大日本銀行は2%の物価上昇を目指し、さらなる金融緩和に踏み切っているが……

 世界の先進国を見ると日本を含めて低成長の局面に入り、インフレ率も低下してきている(2013年の実質GDPの成長率はアメリカが2.22%、イギリスが1.74%、日本が1.52%、ドイツが0.53%、フランスが0.29%)。成長率はアメリカを除いて2%以下になっていて、インフレ率もイギリス以外は2%に達していない。

 2013年のインフレ率はイギリスが2.56%、アメリカが1.46%、ドイツが1.60%、フランスが0.99%、日本が0.36%である。明らかに主要先進国は低成長、低インフレの時代に入ってきているのだ。

 1990年代にはアメリカの平均成長率は3.24%、イギリスは2.82%、ドイツが2.15%、日本が1.47%だった。当然インフレ率も高く1990年代の平均はアメリカが3.01%、イギリスが3.31%、イタリアは4.13%、ドイツは2.41%、フランスは1.65%、日本は1.21%だった。

 各国がディスインフレーションに入っている中で、日本だけが長くデフレーションを経験したのは、

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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