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国会を取り囲んだ女性たちの”赤い鎖"

参加者の鬱屈が映し出す安倍政権が標榜する「女性が輝く政策」の暗部

竹信三恵子 和光大学教授・ジャーナリスト

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 1月17日、赤い帽子、赤いコート、赤いセーターなど赤のファッションを身にまとった約7000人(主催者発表)の女性たちが手をつないで、国会議事堂を取り囲んだ=写真(アジア女性資料センター提供)。

 阪神大震災20周年に重なったこともあってかマスメディアではさほど大きく取り上げられることはなかった。だが、これは「女性が輝く社会」を掲げて女性有権者の支持取り付けに苦心してきた安倍政権に、当の女性たちがノーの声を上げた初の大がかりな取り組みとして、注目すべきできごとだ。

反原発から反ヘイトスピーチまで

 「女の平和 1・17国会ヒューマンチェーン」と名付けられたこの行動は、女性問題NGO、弁護士、大学教員らが、集団的自衛権や改憲などへの危機感を訴えて働きかけ、短期間に300人を超す呼びかけ人が集まった。アイスランドの女性たちが政治参加を求めて展開したレッドストッキング運動にならい、今回の「赤い鎖」が提案された。

 当日は午後1時過ぎから女性たちが湧き上がるように集まり、国会を取り囲んだ。二重、三重の鎖ができた箇所もあった。国会周辺のあちこちにスピーカーが取り付けられ、正門前で次々登壇する女性たちのアピールがどこにいても伝わるよう工夫が凝らされた。

 アピールは、戦争への危機感にとどまらず、「女性が輝く社会」政策が取りこぼしたものを相次いですくいあげた。

 東日本大震災での原発爆発被害に苦しむ福島の女性からは、「汚染はコントロールされているという安倍晋三首相の対外的発言に反して、現場では何も終わっていない」との声が上がった。シングルマザーからは、 ・・・ログインして読む
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筆者

竹信三恵子

竹信三恵子(たけのぶ・みえこ) 和光大学教授・ジャーナリスト

和光大学現代人間学部教授。東京生まれ。1976年、朝日新聞社に入社。水戸支局、東京本社経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)などを経て2011年から現職。著書に「ルポ雇用劣化不況」(岩波新書 日本労働ペンクラブ賞)、「女性を活用する国、しない国」(岩波ブックレット)、「ミボージン日記」(岩波書店)、「ルポ賃金差別」(ちくま新書)、「しあわせに働ける社会へ」(岩波ジュニア新書)、「家事労働ハラスメント~生きづらさの根にあるもの」(岩波新書)など。共著として「『全身○活時代~就活・婚活・保活の社会論』など。2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞。

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