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IMFが日本経済の「失われた30年を認定」

安倍首相の強気は国際的評価を無視する虚構にすぎない

団藤保晴 ネット・ジャーナリスト、元全国紙記者

 アベノミクスが成長を達成と言えるのか、IMF(国際通貨基金)が昨年10月に公表したGDP推移見込みをグラフにすれば現実は「失われた30年」が認定されたも同然だ。首相の強気は国際的評価を無視する虚構である。

 下に掲げる日米中3国の名目GDP推移をご覧いただきたい。バブル崩壊があった1990年代初頭から今回のIMF予測の最終年2019年まで30年間、日本のGDPは5兆ドル前後に張り付いたまま経過する。成長を続ける米中との差は歴然となっている。

 データはIMFの「World Economic Outlook Database」から採った。米ドル建ての名目GDPは「実質成長プラス物価上昇プラス対ドルレート上昇」の3要素で出来ている。

 民主党政権時代は猛烈な円高でGDPが押し上がっていたが、安倍政権になってからの円安で2012年の59378億ドルが2013年に48985億ドルまで下がった。2019年には10%伸びて54333億ドルまで戻すと予測されるものの、物価上昇を年に2%見込むなら実質成長分はほとんど無くなる。国際的に第三の矢など信じられていない証拠だ。

 2010年に中国が日本を抜き去り世界第2位になり、ほんの4年後の2014年には中国は日本の2倍半規模にも達した。大きな実質成長率に5%前後の物価高と元高が毎年加わって実現した。これに対して安倍政権になって成長率がプラスだった時期はわずか

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