支援を表明したインテグラル、一橋大学出身の取締役らの手腕が問われる
2015年01月29日
国内3位の航空会社スカイマークが1月28日、民事再生法の適用を東京地裁に申請した。運航は継続される。投資ファンドのインテグラル(東京)が支援を表明しており、有森正和新社長も29日の記者会見で、インテグラルからの支援を受けての再生を強調した。有森社長は、28日退任した西久保慎一前社長の後任に就いた。
負債総額は710億円にのぼる。世界2位の民間航空機メーカーのエアバス製の超大型旅客機「A380」の購入中止に伴う損害賠償請求で簿外債務が発生する可能性もある。国内航空大手の経営破綻は2010年の日本航空(JAL)以来となった。
破たん理由は、円高当時、海外路線拡大を狙い大型航空機の購入で、経営判断を誤ったことにある。円安倒産や低価格航空会社(LCC)との過当競争という視点もありうるが、今回は経済政策の視点で論点を整理し、投資ファンドの視点で再生の可能性を探ることとする。
インデグラルの経営陣には、一橋大学教授の肩書を持つ2名(佐山展生教授、竹内弘高・名誉教授)が加わり、一橋大学出身者が目立つ。
両氏を含む6人の取締役のうち5人が一橋大学のキャリアをサイトで公開している。佐山氏はNHKドラマ「ハゲタカ」にも関わったとされる。「規制改革の翼」は2回目の経営危機をいかに乗り越えていくのか、手腕が問われる。
空輸・航空業界は、経済学の父アダムスミスが前提とした完全競争市場が当てはまりにくい産業の代表例だった。参入に必要な資本の大きさ(航空機購入)、路線認可、外資規制、パイロットの確保など参入障壁が横たわり、つまり規制や独占を考える典型的なケーススタディーだった。
1980年代の米国、1990年代の日本で、レーガンや橋本・小泉政権が市場経済を重視する政策を導入し、航空業界は規制緩和の論争の代表格となった。そこで誕生した
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