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農家が求める農協改革になっているか?

農業の所得向上に資する地域農協の姿とは

青山浩子 農業ジャーナリスト

 農協改革のことが連日報道されている。政府と農協側の攻防も大詰めを迎えつつあるようだ。日ごろ、農業と関わりのない人も関心を寄せているだろう。

拡大JA全中の万歳章会長(奥左端)も参加した自民党の「農協改革等法案検討プロジェクトチーム」の会合=2015年1月22日、東京・永田町

 ところが、不思議なことに農業がさかんな地方では驚くほど静かだ。農協の組合長が出席するような会合ではさすがに触れるが、生産現場の農家との会話ではほとんど話題にのぼらない。

 当初は農協全体に及ぶ改革案だったが、いつのまにか上部組織、とりわけJA全中の扱いに焦点が絞られ、「上部組織の改革」という認識が強いのだろう。

 冷ややかな反応には別の理由もある。米価の大幅下落、円安などによる農業資材の値上げなど目の前の経営に精一杯で「それどころではない」のだ。

 米は深刻だ。東日本大震災発生で主産地が被災したことから不足感が高まり、数年間米価は高めで推移していた。しかし需要そのものは減っており、在庫の積み上げからついに14年産米に大幅下落。出荷団体と卸で取引される相対取引価格は13年産米にくらべ全銘柄平均で15%安い。その分消費者が多く食べてくれればいいが、

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筆者

青山浩子

青山浩子(あおやま・ひろこ) 農業ジャーナリスト

1963年愛知県生まれ。86年京都外国語大学英米語学科卒業。JTB勤務を経て、90年から1年間、韓国延世大学に留学。帰国後、韓国系商社であるハンファジャパン、船井総合研究所に勤務。99年より農業関係のジャーナリストとして活動中。1年の半分を農村での取材にあて、奮闘する農家の姿を紹介している。農業関連の月刊誌、新聞などに連載。著書に「強い農業をつくる」「『農』が変える食ビジネス」(日本経済新聞出版社)「農産物のダイレクト販売」(共著、ベネット)などがある。茨城大学農学部非常勤講師もつとめる。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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