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金融バブル、今度は異なるのか?

歴史に学び後世に語り継ぐ意味

齋藤進 三極経済研究所代表取締役

 『This Time Is Different: Eight Centuries of Financial Folly』――。Carmen M. Reinhart と Kenneth Rogoffのこの共著を世に問うたのは、リーマンショックが起きた翌年の2009年のことであった。

 同書は、理論ではなく、データで、過去8世紀近くの世界各国の金融バブルの膨張と破裂の歴史を振り返ったものである。

 同書のメッセージは、書名自体に表れているように、非常に明確である。

 金融バブルが膨張する過程では、その関係者の大多数は、「今度は異なる」と思い込む。しかし、金融バブルが破裂した後では、何らの新規なものはなかった、かつての歴史上にあったことの繰り返しに過ぎなかったと言う訳である。

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 ジャネット・イエレン米国連邦制度理事会議長(米国の中央銀行の代表)は2月24日、25日、、米国連邦議会で証言した。

 世界中の経済・金融資本市場の関係者の関心は、イエレン議長の発言から、米国の政策金利(フェデラル・ファンド・レートの誘導目標水準)を、いつ、いかなるペースで引き上げるかのヒントを引き出すことであった。

 振り返って見ると、2年近く前の2013年5月23日には、バーナンキ前議長が米国連邦議会での証言で量的緩和政策の手仕舞いを示唆すると、東京株式市場のザラ場では、日経平均株価は、1万6千円台乗せ目前の1万5942円60銭から、安値引けの終値では1万4483円98銭と、1日で1458円62銭もの大幅な振幅を見た。

 実際に、バーナンキ前議長の上記発言から半年余り経った2014年明けに、米国の中央銀行が量的緩和政策の段階的な手仕舞いを開始すると、金融引き締めに相応する反応が、金融資本市場、国際商品市場などに順次に表れて来ている。

 まず2014年早々以降からは、ラッセル2000指数などに代表される米国の成長株、小型株の傾向的な上昇が止まった。同年半ば以降には、

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筆者

齋藤進

齋藤進(さいとう・すすむ) 三極経済研究所代表取締役

(株)三極経済研究所・代表取締役。1950年静岡県生まれ。73年京都大学経済学部卒、73年より、国際関係研究所客員研究員(台北)、76年ミシガン大学大学院経済学博士課程修了。フォード財団特別研究員、ウォールストリートで、金融機関、機関投資家、国際機関向けの独立経済コンサルタント業、クレディ・スイス銀行(東京)経済調査部長兼チーフ・エコノミストなどを経て、1990年より現職。「平成不況」の名づけ親として、多くの経済政策論文・論説を発表。著書に『平成不況脱出』(ダイヤモンド社)、『平成金配り徳政令』(講談社)など。世界の100人のTop Political Columnistにも選ばれている。 【2016年8月WEBRONZA退任】

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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