チェルノブイリ事故後の人口動向から考える
2015年03月11日
時間が経つのは早い。2015年3月11日で、東日本大震災・福島第一原発事故が起きてから満4年となる。東日本大震災と大津波の被害は甚大であった。その被災者の生活も元には戻っていない。しかし、語弊はあるが、その被害は有限で、生き残った被災者の生活も、日本国家が支え得る範囲のものである。
しかし、福島第一原発事故は、収束したと言うのには程遠い。メルトダウンした核燃料を いかに処理できるのか。その確たる技術さえないのが、当事国の日本を含めて世界の現実である。
実際には、メルトダウンした核燃料の所在位置も分からないので、最近の報道でもあったように、素粒子を利用した計測器を開発し、何とか正確な所在を探ろうとしている段階だ。しかも、その所在が特定できても、安全に取り出せる技術は、未だないのである。
メルトダウンし、地中にのめり込んだと考えられる核燃料からと推測される大量発熱で、地中から間欠泉のように、大量の蒸気が吹き出す模様や、青白い光が発せられる様子が、現場の24時間カメラで繰り返し捉えられ、YouTubeに録画され、広汎に拡散されてきた。メルトダウンした核燃料が、断続的な再臨界状態を起しているとする向きもある。
福島第一原発・ライブカメラ(4号機側)
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/camera/index-j.html
1986年4月に事故を起こした旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発の場合でも、強烈な放射能で、メルトダウンした核燃料を処理する方法が無く、「石棺」と呼ばれて来たシェルターで、原子炉建屋を覆い、放射能の拡散を防止して来たに過ぎない。
その石棺も老朽化したので、その石棺全体を覆う更に巨大なシェルターを、2017年末までの完成を目標に、現在建設中である。最近では22億ユーロと見積もられている建設資金は、G7諸国・欧州復興開発銀行など、43カ国余りの資金協力で捻出されている。
新規の巨大シェルターの建設に落ち着いたのは、メルトダウンした核燃料を、安全に取り出す技術が存在しないからである。
チェルノブイリ事故の場合には、事故発生後半年で石棺が建設され、大気中など自然環境への放射能の大規模な拡散は防止されている。しかし、福島第一原発からの放射能は、
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