小森敦司(こもり・あつし) 朝日新聞経済部記者(エネルギー・環境担当)
東京都出身。1987年入社。千葉、静岡両支局を経て、名古屋や東京の経済部に勤務、金融や経済産業省を担当。ロンドン特派員も経験し、社内シンクタンク「アジアネットワーク」では地域のエネルギー協力策を研究。現在、エネルギー・環境分野を担当、とくに原発関連の執筆に力を入れている。著書に「資源争奪戦を超えて」「日本はなぜ脱原発できないのか」、共著に「失われた〈20年〉」、「エコ・ウオーズ~低炭素社会への挑戦」。
原発にかかわる労組の言いなりになっていないか
朝日新聞の3月25日付朝刊に「国策の果て 岐路の原発②」の記事を書いた。メインの見出しは「各地に『ミニ角栄』」で、内容は田中角栄元首相ら自民党議員の原発推進の動きを追ったものだ。
(国策の果て 岐路の原発:2)原発、各地に「ミニ角栄」 利権と票、族議員が台頭
実は、民主党の動きも取材したのだが、紙面に収まりきらず、その部分はカットされてしまった。それで、この「WEBRONZA」を借りて、民主党の動きも押さえておきたいと思う。
今では、遠いことのように思えるが、民主党の野田政権は2012年9月、いわゆる「国民的議論」などをふまえ、「2030年代原発ゼロ」方針を打ちだした。だが、最近でも、原発維持に動く民主党議員は少なくない。というより、筆者は勢いを増しているように映るのだ。
こんなエピソードを見つけた。
ちょうど1年前のことになるが、2014年春、A4一枚の「集計表」が、民主党の国会議員の間に出まわった。民主党は当時、トルコなどへの原発輸出を可能にする原子力協定の会議を重ねていた。
その表は、会議ごと、議員の発言などから協定への賛否を○×で記したものだった。出席した議員がまとめたものとみられる。その表を入手した筆者は、
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