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戦後70年、憲法改正の論議を深める時だ

適切な手続きでの国民投票を

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 戦後70年ということで様々な企画や論議がなされてきている。おそらく、最大のイシューは日本国憲法の改正問題なのではないだろうか。

安倍政権は憲法改正に向けた動きを強めている

 衆知のように現行憲法は1946年2月4日から2月12日の9日間でGHQの民政局(GS)によってつくられたものだ。日本政府も松本烝治国務大臣を長とする憲法問題調査委員会をつくり1946年1月には甲案・乙案を提示したが、あまりにも保守的だとしてダグラス・マッカーサーがGSに作成を指示。チャールス・ケーディス、アルフレッド・ハッシー、マイロ・ラウエル等が中心となって現在の憲法をつくっていった経緯がある。

 日本政府はいわゆる芦田修正(憲法9条を若干修正し、自衛のための軍隊―自衛隊―を持てるようにしたもの)はしたのだが、他の部分ではGHQ案をそのまま受け入れた。占領下の憲法作成でもあり、GHQは日本が独立した後には改正されるだろうと考えていたようだ。

 しかし、日本国民はこの「平和」憲法を受け入れ、その後70年弱全く改正はなされていない。世界の国を見渡しても、70年近く、憲法が全く改正されないというのは珍しいことだといえよう。

 自由民主党は憲法改正を長く党是としてきたが、改正に必要な衆参両院の3分の2以上の議席を獲得するに至らず改正の発議は現在までなされていない。ただ、

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