メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

スマホを使いこなす叡智を身に着けよう

あえて、「さあ、スイッチを入れてニュースを学び、議論を始めよう」

小此木潔 上智大学教授(政策ジャーナリズム論)、元朝日新聞論説委員

 「スマホやめますか、それとも…」と入学式で語りかけた信州大・山沢学長の真意は、「自分の頭でゆっくり考える時間を持て」ということだった。発言の趣旨は、あいさつ文を読めば明確である。誤解や反発を招くことも承知のうえで、この表現を用いたのは、一石を投じたいという気持ちと教育にかける熱意のせいなのだろう。

拡大入学式を終えた信州大の新入生ら=松本市美須々

 短いフレーズだけをとらえて、「なにを時代遅れな…」などと反発してみても、はじまらない。時間をかけて考える習慣をつける中から独創性をはぐくみたいという学長のメッセ―ジを、まずは受け止めてみよう。学長は話題となったフレーズに続けてこう言っている。「スイッチを切って、本を読みましょう。友達と話をしましょう。そして、自分で考えることを習慣づけましょう。自分の持つ知識を総動員して、ものごとを根本から考え、全力で行動することが、独創性豊かな信大生を育てます」

 これはこれで、ごもっとも。さて、それでスマホとどうつきあえばいいのであろうか…。

 実際にはほとんどの大学生がスマホを利用している。「ニュースはスマホのアプリで読んでいます」という学生の声を聴くと、私は「それじゃあ、世の中のことはわからないよ。だまされたつもりで紙の新聞を読んでごらん。図書館でもいいから」と言ってきた。

 しかし、「パソコンは持ってないけど、スマホで大学のシステムにアクセスしています」という学生に会って、少し考えが変わった。

 いま私は、スマホやパソコンを使って学生たちがデジタル新聞を読みこなせるようにしたいと考えている。そのうえで、さまざまな問題解決のための政策とジャーナリズムのありようを、 ・・・ログインして読む
(残り:約1032文字/本文:約1741文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
Journalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

小此木潔

小此木潔(おこのぎ・きよし) 上智大学教授(政策ジャーナリズム論)、元朝日新聞論説委員

上智大学教授。群馬県生まれ。1975年朝日新聞入社。富山、奈良、大阪、ニューヨーク、静岡、東京で記者をしてきた。近年は日本の経済政策や世界金融危機など取材。2009年5月から東京本社論説委員室勤務、11年4月からは編集委員も務め、14年4月から現職。著書に「財政構造改革」「消費税をどうするか」(いずれも岩波新書)、「デフレ論争のABC」(岩波ブックレット)。

小此木潔の記事

もっと見る