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アジアインフラ投資銀行にどう対応するか

本格的な国際金融機関になる道筋を見極めて

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を目指し、すでにヨーロッパ先進国など約50カ国が参加を表明している。

拡大2015年3月31日時点での参加表明国・地域

 日本は現在のところ、アメリカとともに参加を見送っているが、ジェイコブ・ルー財務長官は3月31日、既存の国際金融機関との補完的な関係の構築や、融資基準の厳格化などを条件に「歓迎する」と述べている。

 アジア地域に厖大なインフラ需要があることは確かだ。中国が自らの資金を中心にその需要に答え、影響力を増やそうとしていることは、むしろ、当然なことだといえるだろう。問題はAIIBが中国の二国間援助的なものにとどまるのか、本格的な国際金融機関になっていくのかということだ。

 本格的な国際金融機関にするためには理事会を設置し、重要な意思決定は最終的に理事会が行うこととする必要がある。また、中国のシェアを20%未満にとどめることが必要だと思われる。

 アメリカが継続的に総裁を出し、最大の出資国となっている世界銀行でもアメリカのシェアは15.85%だ。重要な意思決定は85%の賛成が必要なので、アメリカは拒否権を持っているものの、アメリカだけで物事を決定できる訳ではない。日本が6.84%、中国が4.42%、ドイツが4.00%等G20の主要国が相応のシェアーを有している。

 中国はAIIBについて最大限50%の出資をする用意があるとしている。一方、

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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