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韓国が安全になれないのは国民意識から必然

誰もが自分勝手な手抜きを恥じない社会

団藤保晴 ネット・ジャーナリスト、元全国紙記者

 法治国家に対し人治国家とは時の政権が恣意的に法律解釈を変えるような状態を言う。韓国の場合は法やルールに従うかどうか誰もが勝手に判断している「5000万総人治」であり、安全になれる方が不思議だ。セウォル号沈没を機に韓国ウオッチを続けて得た結論である。

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 昨年4月16日に事故があって22日に海洋警察が公開した現場写真である。これだけ傾いているのに乗客は船室待機だ。救助に来た海洋警察官の無為ぶりを映し出しているので、『沈没報道の韓国メディア、海洋警察の劣悪さ無視』と厳しく指弾した。

 その後、法廷で海難専門家は写真のタイミングでも放送で「甲板へ脱出」と指示さえすれば乗客全員助かったのではないかと証言した。

 日本の海上保安官が船体が傾いた現場に来て思案投げ首をしている失態はあり得ない。ところが、当時の朝鮮日報《旅客船沈没:大統領の叱責恐れもたつく官僚》はこう伝えた。《政府や与党の関係者は「今回のセウォル号沈没事故で、専門性を備えた公務員が現場で積極的に動けずにいるのは『過ちを犯せば自分が全ての責任を負わされる』と恐れているためだ」》《「公務員は『自分ばかりが出て行って過ちを犯せば、責任を負わされる』と考えているため消極的だ。事態が終息したら誰も責任を取らない、ということを経験的に知っている」と語った》

 皆が決められたルールを守り、守らなければ罰せられる法治国家なら、他の人も最低限ここまではやってくれるはずと目処が付けられる。他の人がしている仕事の上に自分の職分をそれぞれ積み上げていくから、社会全体として機能する。韓国社会ではそう働かないと端的に示したのが、沈没事故から半月余りで起きたソウル地下鉄追突事故である。

 

 正常な状態ならトラブルで止まっていた先行列車の後ろは停止の「赤」、「赤」の次は「赤」になっていて自動列車停止装置ATSが働くから後続列車は安全に停止できる。赤信号の次は最低でも注意の「黄」か「赤」でなければならないのは世界共通の信号ルールである。ところが、ソウル地下鉄事故では

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筆者

団藤保晴

団藤保晴(だんどう・やすはる) ネット・ジャーナリスト、元全国紙記者

ネット・ジャーナリスト、元全国紙記者。2008年まで「ブログ時評」(http://dando.exblog.jp/)を岩波書店の月刊誌「世界」に連載するなど、ネット上の言論活動を続ける。メディアとブログの相互作用をウオッチする「Blog vs. Media時評」のほか、「インターネットで読み解く!」(http://dandoweb.com/)を展開している。

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