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貿易収支の黒字転換は一時的

成熟経済は経常収支の黒字が続けば、貿易収支が再び赤字に転じても問題なし

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 財務省が5月13日に発表した国際収支統計によると、2015年3月の貿易収支は6714億円の黒字と、2013年6月以来の黒字となった。

 円安を背景に輸出が伸びる一方、原油価格の下落で輸入が大幅に減少したのだ。2014年度(2014年4月~2015年3月)の貿易収支は2015年2月までの赤字が響き、9兆1343億円の赤字になっている。

 経常収支は2兆7953億円の黒字。2月の1兆4401億円を大幅に上回った。2兆円台に乗るのは2010年9月の2兆1672億円以来だ。問題はこの貿易収支黒字、経常収支の大幅なプラスが今後も続いていくのかどうかだろう。

 収支改善の主たる要因は円安と原油価格の低下だが、円安もそろそろピークを打ち、原油価格も反転し始めている。5月中旬には円ドルレートは1ドル120円を切り、115~120円のレンジに入る気配だし、原油価格は年末には70ドルまで上昇するとの見通しが一般的だ。

 輸出が大きく増加した背景には、

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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