役割を終えた政府による不足払い制度
2015年05月28日
酪農政策の基本となっているのは、バターや脱脂粉乳向けの加工原料乳に対して、農家への保証乳価と乳業メーカーが支払う乳価との差を補てんする不足払い制度である。この対象となるのは、主として北海道で生産される生乳である。
この制度は、北海道以外の他の都府県の酪農が縮小し、北海道が都府県に代わって飲用牛乳(市乳)供給地帯となるまでの暫定的な措置として、1965年に導入されたものだ。
飲用牛乳向けと異なり、バターや脱脂粉乳向けの加工原料乳に乳業メーカーが支払える乳価は少ないので、規模の大きい北海道の生産者でも、その価格では再生産できない。
このため、乳業メーカーが支払える乳価に、政府が不足払いを加算することによって、農家に一定の価格を保証し、北海道の酪農が再生産できるようにしたのである。
価格関係は、
飲用向け乳価>不足払いを含めた農家への保証乳価>乳業メーカーが支払える乳価
である。
この制度がなければ、
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