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日本が財政赤字を克服する活路

社会保障の充実を主体とした積極財政への転換を急げ

齋藤進 三極経済研究所代表取締役

 日本経済は、日本政府自身の公式推計値では、2014年度にはマイナス1.0%成長になったという。一方で、最近の東京証券取引所1部上場の株式時価総額は、政府保有分を除き、591兆円となり、1989年末に付けた過去最高の記録を25年ぶりに更新したとされる。

 さらに、昨年2014年末時点では、日本の海外資産残高は947兆円と、前年比で148兆円も増え、対外負債残高の578兆円を差し引いた純資産残高は367兆円と、前年比で41兆円も増えて、これも過去最高になったという。

 日本の政府部門(=中央政府+都道府県・市町村などの地方公共団体+社会保障基金)の金融負債残高は、2014年12月末で1193兆円と、日本経済の年間GDPの規模の2.4倍余り。同時点の政府部門の金融資産は552兆円もあったから、この分を差し引いた純金融負債残高でも、実に641兆円と、2014年の名目GDPの132%余りにもなる。

 では、日本経済、財政は、累積財政赤字の重みで、身動きができないのだろうか。

 GDPの120%から130%程度の政府負債残高は、いくらでも前例がある。

 米国の場合には、第2次世界大戦が終結した1945年には、連邦政府負債残高の対GDP比率は118%にも達していた。対応する数字は、1945年の日本の場合には278%、1947年のイギリスの場合には277%だった。

 この財政赤字に対し、米国は財政金融政策を活用した総需要拡大策をとった。名目GDPを持続的に拡大し、20年以上の時間をかけて、

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筆者

齋藤進

齋藤進(さいとう・すすむ) 三極経済研究所代表取締役

(株)三極経済研究所・代表取締役。1950年静岡県生まれ。73年京都大学経済学部卒、73年より、国際関係研究所客員研究員(台北)、76年ミシガン大学大学院経済学博士課程修了。フォード財団特別研究員、ウォールストリートで、金融機関、機関投資家、国際機関向けの独立経済コンサルタント業、クレディ・スイス銀行(東京)経済調査部長兼チーフ・エコノミストなどを経て、1990年より現職。「平成不況」の名づけ親として、多くの経済政策論文・論説を発表。著書に『平成不況脱出』(ダイヤモンド社)、『平成金配り徳政令』(講談社)など。世界の100人のTop Political Columnistにも選ばれている。 【2016年8月WEBRONZA退任】

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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