二人の愛が冷めた後はどうなる―ソフトバンク後継問題
2015年06月01日
ソフトバンクの孫正義社長は、まだ入社してまもないインド出身のニケシュ・アローラ氏を、自身の後継者候補含みで副社長に起用する。
アローラ氏は、孫氏が「会ったとたんに一目惚れ」した人物。この9カ月間、いつも孫氏に寄り添い、孫氏は「朝まっさきに彼に電話し、寝る前に電話で話すのも彼」とのろける。移り気と評されることの多い孫氏、はたして愛は永続するのか。
今年47歳のアローラ氏は米フィデリティでそのキャリアを始め、金融界を渡り歩いた後、2001年に現在米国で4位の携帯会社Tモバイルの欧州部門のマーケティング責任者を担当。その後グーグルに移り、セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジの2人の創業者やエリック・シュミット会長につぐ「ナンバー・フォー」の地位(チーフ・ビジネス・オフィサー)にまで上りつめた。
私が同僚と一緒に2月27日にアローラ氏に行ったインタビューによれば、孫氏から「いつか一緒に仕事をしよう」と言われたのは、アローラ氏がグーグル在職中の、いまから5、6年前のことだった。「そのときは何か一緒にやれるとは思っていなかったけれど、マサ(孫氏のこと)は『グーグルは競争相手ではなくて協力者になるべきだ』と言っていました」。
以来、孫氏がカリフォルニアに来るたびに、ともにワインを飲む仲に。アローラ氏がインドの財閥出身の女性実業家と挙げた昨年の結婚式には、俳優のブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョイナー夫妻やグーグル創業者のラリー・ペイジ氏ら289人が招待されたが、孫氏もその一人に名を連ねていた。そのころから孫氏は「一緒に仕事をしよう」と猛烈なラブコール。アローラ氏が週末、家族とロサンゼルスで食事をしていると、出張中の孫氏がわざわざ訪ねてきて、紙ナプキンに入社の条件を提示して口説いた。
「そこには日付と数字が書いてありました。それから『これから、こういうふうにやろう』と。ですから大事なことは、日本食レストランの紙ナプキンの裏ですべて決まったのです」
数字とは、おそらく
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