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アメリカが求める“コメ輸入の政府保証”とは何か

日本のコメ輸入が国家貿易企業による輸入だという事実

山下一仁 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

 7月16日、ある全国紙が、アメリカが日本のコメ輸入枠に政府保証を求め、日本は買い取りは義務ではないと主張していると報道した。

 分かりやすく説明すると、コメの内外価格差が解消、逆転したので、昨年度10万トンの主食用輸入枠のうち、1.2万トンしか輸入されなかった。消化率12%である。アメリカがコメ輸入枠に政府保証を求めるということは、この場合でも必ず10万トン輸入するよう求めているということである。

 どんな商品でも、国内の価格が100円の時に150円のものは輸入されない。しかし、アメリカは150円でも、つまり高くても、輸入枠の全量を輸入するよう求めているのである。

 輸入枠というのは、関税を払わなくてよいというだけで、それが全量輸入されるという保証付きのものではない。輸入機会の提供であって、確実な輸入の保証ではない。WTOで約束されている各国の輸入枠についても、全量消化されているというのは、稀である。

 しかし、なぜ、このような理不尽な要求をアメリカが行い、それを日本が拒否できなくて、日米交渉の議論の対象となってしまうのだろうか?これが、このスクープ的な報道では、言及されていないところである。

 それは、日本のコメ輸入が国家貿易企業による輸入だからである。コメについては、主食用、あられ・せんべいなどの米菓用、エサ用などに、

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筆者

山下一仁

山下一仁(やました・かずひと) キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

1955年岡山県笠岡市生まれ。77年東京大学法学部卒業、農林省入省。82年ミシガン大学にて応用経済学修士、行政学修士。2005年東京大学農学博士。農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、農林水産省地域振興課長、農村振興局整備部長、農村振興局次長などを歴任。08年農林水産省退職。同年経済産業研究所上席研究員。10年キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。20年東京大学公共政策大学院客員教授。「いま蘇る柳田國男の農政改革」「フードセキュリティ」「農協の大罪」「農業ビッグバンの経済学」「企業の知恵が農業革新に挑む」「亡国農政の終焉」など著書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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