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安倍内閣支持率急落の背景

アベノミクスに対する大多数の日本国民の失望も

齋藤進 三極経済研究所代表取締役

 最近の日本の大手メディアによる世論調査では軒並みに、安倍内閣に対する支持率が急落し、不支持率が支持率を大きく上回ったとしている。

 内閣支持率が急落した最大の背景に、違憲の安保関連法制改定を、国会での与党連立の多数をもってして、強行しようとしていることがあることは明白だ。

 大多数の国民が、安倍首相と、その御一党の所業に大きな不安を感じるのは、法案の一部の個々の違憲条項に対してだけではなく、現行の日本国憲法に裏づけられた日本の政体(Polity)を、全ての法の上に立つ最高法規である憲法の正式な改正手続きもなく、単なる法の改定で転覆させようとの「クーデーター」と気付いたからであると言えよう。

 筆者が、今年6月26日(金)付けの本欄で、『日本国民・憲政に対して進行中のクーデーター』と題して、クーデーターとの表現を初めて使ってから以後、有力な憲法学者、政治学者の中にも、同じ表現を使って、単なる違憲を超えた政体・体制転覆が進行中との認識を同じくされる事を表明される方々が出て来たのも当然のことと言える。

 最近の国会での安保関連法制改定への審議と、安倍首相の心象風景に関連して、平野貞夫氏(元参議院議員・元自由党参議院国会対策委員長)が以下のように述べたと各所で報道されているのが、核心を突いていて非常に興味深い。

 祖父の岸元首相に対するファミリー・コンプレックスの裏返しと分析する人が少なくありませんが、私は間違いだと思います。安倍首相の思考回路が非常に不安定で、病的なものがあるとすれば、それを利用している日米双方の「安保コングロマリット」の操り人形になっているのでは、と見ています。弱肉強食の資本主義を推し進める資本家を背景に、日米の官僚、官僚出身の政治家たちがコントロールしている。私も自分の政治経験の中で、かつてその一部の人たちと議論したり、仲間だったことがありますから、よく見えるんですが、安倍首相はきちんとした哲学や思想、理念があってやっているわけではなく、そういう人たちに踊らされています。
 アベノミクスもその構造の一つですが、競争中心の弱肉強食型の資本家たちは、軍事や軍備拡大によって経済成長を図ろうとしています。過去、軍備拡張がどれほど人類を不幸にしたかといったことは、彼らはどうでもいい。そういう背景を私は感じます。

 要するに、安倍政権が推進している違憲の安保関連法制の改定と、アベノミクスが一体のものであるという認識である。

 換言すれば、

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筆者

齋藤進

齋藤進(さいとう・すすむ) 三極経済研究所代表取締役

(株)三極経済研究所・代表取締役。1950年静岡県生まれ。73年京都大学経済学部卒、73年より、国際関係研究所客員研究員(台北)、76年ミシガン大学大学院経済学博士課程修了。フォード財団特別研究員、ウォールストリートで、金融機関、機関投資家、国際機関向けの独立経済コンサルタント業、クレディ・スイス銀行(東京)経済調査部長兼チーフ・エコノミストなどを経て、1990年より現職。「平成不況」の名づけ親として、多くの経済政策論文・論説を発表。著書に『平成不況脱出』(ダイヤモンド社)、『平成金配り徳政令』(講談社)など。世界の100人のTop Political Columnistにも選ばれている。 【2016年8月WEBRONZA退任】

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