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東芝、オリンパスとJPX日経インデックス400

経済学の知見と投資の常識に著しく反した株価指数

吉松崇 経済金融アナリスト

 日本取引所グループと日経新聞社は、8月7日、両社が共同で算出している株価指数であるJPX日経インデックス400(以下「日経400」と呼ぶ)から、東芝やLIXILグループを含む42銘柄を除外して、オリンパスを含む43銘柄を追加すると発表した。

拡大各国の株価はめまぐるしく変動する

 日経400は2014年1月6日から公表が始まった新しい株価指数である。この指数を開発した両社によれば、東京証券取引所に上場している約3,400社のうちから「投資家に魅力の高い400銘柄を選び、財務や経営が優秀な日本の株式市場を牽引する銘柄の指数」として発表する、とのことだ。

 そして、その銘柄選定の基準は、過去3年の自己資本利益率(ROE)、3年間の累積営業利益および時価総額をスコアリングした定量評価に加え、独立した社外取締役の選任や国際会計基準(IFRS)を採用した決算書、若しくは英文での決算情報の公表等のコーポレート・ガバナンスやディスクロージャーへの積極的な取り組みを定性評価して選定するとのことである。(日本取引所グループ「JPX日経インデックス400」

 私は、以前、そもそも自己資本利益率(ROE)で企業の優劣を判断するのは経済学(企業金融論)の初歩的な常識に照らしておかしな話だとこの株価指数を批判したので、ここでは繰り返さない。この点については、拙稿「GPIF年金積立金運用見直しの不可解-ROEで投資先を選ぶという不思議(上)(下)2014年9月10日、11日」をお読み頂きたい。

 本稿では、この日経400株価指数に従って投資を行うと何が起こるか、ということを論じてみたい。

市場を後追いする投資判断

 日経400が、その構成銘柄から東芝を除外することに誰も異論はないだろう。何しろ、日本を代表する製造業の雄であり、官僚OBや経営学者を含む社外取締役を4人揃えて、 ・・・ログインして読む
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筆者

吉松崇

吉松崇(よしまつ・たかし) 経済金融アナリスト

1951年生まれ。1974年東京大学教養学部卒業。1979年シカゴ大学経営大学院(MBA)修了。日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)、リーマン・ブラザース等にて30年以上にわたり企業金融と資本市場業務に従事。10年間の在米勤務(ニューヨーク)を経験。2011年より、経済・金融の分野で執筆活動を行う。著書:『大格差社会アメリカの資本主義』(日経プレミアシリーズ、2015年)。共著:『アベノミクスは進化する』(中央経済社、2017年)。

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