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[13] ゴルフとウイスキー不思議な関係(上)

名コースあるところにウイスキー蒸留所あり

山口信吾 ゴルフ作家

ヘブリーズ諸島のマクリーGC

 スコットランド西部の北大西洋に長く連なるヘブリーズ諸島の最南端にある「アイラ島(Isle of Islay)」は、淡路島とほぼ同じ大きさの辺境の島だ。グラスゴーからアイラ島へは空路を行けばわずか40分だが、約6時間かけて陸路と海路を行くのが断然おすすめである。

拡大目の前の入江「ロクファイン」で育てられている美味な生カキ。ウイスキーをたらして食べるのも一興!

 風光明媚なハイランドの山と湖を抜けて走る爽快なドライブを楽しめる。フェリーからはハイランドの山々の素晴らしい眺めも楽しめる。船に乗ってこそ島に渡るという実感がする。さらに、道中に生カキを食べさせてくれる「ロクファイン・オイスターバー」に立ち寄ることができる。目の前の入り海(汽水域)で育った生カキは新鮮で大層美味である。

 アイラ島には、8カ所ものそれぞれに個性豊かなウイスキー蒸留所があり、今年、9つ目の新蒸留所が創業する。アイラ島はウイスキー通なら一度は訪れてみたい「ウイスキーの聖地」である。

 日本の大手飲料メーカーS社が、アイラ島最古の名門ウイスキー蒸留所「ボウモア」を、1994年に買収した。この買収に伴い、S社に勤務する友人が、日本からはるばるアイラ島まで出張してボウモア蒸留所を視察した。

拡大海に面したボウモア蒸留所は、風が強い日にはまともに波しぶきを受け潮の香りに満ちる

 てっきり仕事のついでに、この島にある「マクリーGC」でゴルフをしたに違いない、と思って感想を尋ねると、「何のことだ?」という顔をしている。なんと! 1891年創立の由緒あるマクリーGCの存在を知らなかったのだ。「まさか、あんな湿原で覆われた小さな島に名コースがあるとは思いもしなかった」と言って、ゴルフ好きの友人は大いに悔しがった。

 マクリーGCは、比類のないブラインドショットが連続することで知られている。2008年に初めてアイラ島を訪れたとき、2日間にわたって連続4回もここでプレーした。5番パー5に至ると、目の前にとてつもない砂丘が立ちはだかっていて度肝を抜かれる。この砂丘越しに見えないフェアウェイを狙うのだ。緊張で手首が硬くなり、ボールを草が生い茂る中腹に打ち込んで、あえなくロストボール。そこから延々とブラインドショットが続く。打ちのめされて第1ラウンドを終えた。

ブラインドショットの楽しさ

 昼食を終えて第2ラウンドに入ると、ブラインドショットの楽しさがわかってきた。高い丘を越えて真っすぐ飛んでいくボールを見ると、

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筆者

山口信吾

山口信吾(やまぐち・しんご) ゴルフ作家

1943年、台北市生まれ。九州大学工学部建築学科を卒業後、同大学院を修了。69年、竹中工務店に入社。72年に渡米し、ハーバード大学デザイン大学院修了後、米国大手設計事務所に勤務。75年に帰国して竹中工務店に復帰。一貫して都市開発プロジェクトに従事。2004年の定年退職後はゴルフ作家として活動している。43歳でゴルフを始めた遅咲きゴルファー。ベストハンディキャップ8。97年以来、毎年のように英国の海岸地帯の「リンクス」と呼ばれる自然のままのコースを巡る。『定年後はイギリスでリンクスゴルフを愉しもう』(亜紀書房)、『普通のサラリーマンが2年でシングルになる方法』(日経ビジネス人文庫)、『死ぬまでゴルフ!』(幻冬舎)など著書多数。自身のブログはhttp://www5f.biglobe.ne.jp/~single 【2016年3月WEBRONZA退任】

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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