米ドル、国民通貨と国際通貨の二重の役割に矛盾
2015年08月27日
今年6月半ば以降の上海株式相場の大暴落で、中国が、世界の経済・金融資本市場を大動乱に放り込んでいる印象が広汎に流布している。
確かに、日本の多くの方々は、気づいてみれば、中国経済は、軽工業、重工業などの製造業全般の多くの分野で、世界生産の半分前後を占める巨大な存在になっていることに驚愕されるであろう。
かつての日本の高度成長期では、鉄鋼業が経済成長のシンボルであった。その業界で最大手の新日本製鉄の歴代代表は経団連会長に就き、「財界総理」と呼ばれたものであった。
粗鋼生産ベース(2014年)で、中国(8・2億トン)は、世界(16・7億トン)の半分近くを占めるだけではなく、欧州連合・日本・米国の3地域の総計(3・7億トン)よりも大きい。
しかも、中国の粗鋼生産能力は、最近では11億トンもあると見られる。換言すれば、3億トン前後の過大な生産余力があるのだ。
同様に、現在の世界経済は、中国経済の膨大な新鋭設備だけではなく、教育水準が高い膨大な労働力プールを有する。
中国政府国家統計局の教育データから推計すると、中国の総人口の13億7千万人弱の内の現役世代(65歳以下)には、約8億人の中学以上の卒業者、約8千万人の大学などの高等教育(高校卒以上)卒業者のプールが出来上がっている。
産業の基本は、教育水準の高い労働力である。大量生産の流れ作業を正確にこなすにも、
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