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人民元切り下げと安定成長期に入った中国経済

それでもGDPは世界一へ、その後はインドも台頭

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 中国は8月中旬、2度にわたって人民元を切り下げ、輸出増加を狙うなど経済のてこ入れを図った。

 中国経済は現在重要な局面に入ってきている。高度成長期が2010年前後で終わり、安定成長期に入ってきたのだ。1979~2008年の30年間、中国の実質GDPの平均年間成長率は9.8%と世界でナンバーワンだ。

 2009年から2011年も9.21%、10.41%、9.3%と高い成長率を維持してきた。しかし、2012年には成長率は7.76%に低下、2016年は7.75%、2014年は7.36%と、7%台の成長に減速し、2015年はIMFの見通しによると、6.8%まで低下するとされている(IMF、2015年7月9日、世界経済見直し)。IMFによると、2016年はさらに6.3%まで下っていくという。

 中国経済は明らかに高度成長期を終え、安定成長期に入ってきたようだ。ちょうど40年前の日本経済というところだろうか。

 日本は1956年~73年度の成長率は年平均で9.1%だったが、

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