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世界同時株安は続くのか

中国に端を発した世界経済の不安定化をどう読み解くか

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 2012年12月安倍晋三第二次政権成立以来上昇を続けてきた日経平均が反落に転じ株価の乱高下が続いている。

 ニューヨークダウもリーマンショック終了以降上昇してきたが今年5月あたりから下落に転じている。

日経平均株価の下落幅は一時、900円を超えた=2015年8月24日拡大日経平均株価の下落幅は一時、900円を超えた=2015年8月24日

 アメリカの三次にわたる金融緩和(2009~12年)で株価は上昇し続けていたのだが、金融緩和の終了、そして利上げの予測から2015年前後から下落し始めたのだ。

 日本も2012年、金融緩和を掲げた安倍政権の成立・翌3月の黒田東彦日銀総裁の任命と「異次元金融緩和」によって株価は大きく上昇し続けたのだった。

 2012年12月、月平均で1万395円だった日経平均は3年半後2015年5月は月平均で2万563円とほぼ2倍にまで上昇したのだった。日米の積極的金融緩和が資金を株式市場に向かわせたのだ。

 欧州中央銀行(ECB)も2015年3月には量的緩和に踏み切りデフレ封じ込めに踏み切ったのだった。日米欧の先進諸国はタイミングの差こそあったが、いずれも金融緩和策をとり、景気刺激策をとったのだ。こうした積極的金融緩和を受け日米欧とも株価は上昇していったのだ。

出口を模索するアメリカ

 しかし、そろそろアメリカは出口を模索し、日本銀行も直ちに追加緩和に踏み切る気配はない。

 たしかに世界的デイスインフレーション(あるいはデフレーション)で当面インフレの心配はない。各国とも大きな懸念なく金融緩和策に踏み切れる理由だ。アメリカ経済は好調で非農業部門の雇用者数は増加し続け、失業率も大きく低下してきている。

 しかし、ここへきての中国ショック。今のところアメリカのマクロ経済への直接の影響はないものの、株価は前述したように下落に転じている。

 アメリカが当初の想定通り年内に利上げに踏み切るかどうかも必ずしもはっきりしない。

不透明な先行き

 ジァネット・イエレン議長は7月には議会で年内の利上げに意欲を示したものの、著名な債券投資家ドル・グロス等は現時点で利上げをすれば金融不安を招く恐れがあると警告を発している。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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