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ディスインフレーションは先進国全体の状況 

 2015年8月の消費者物価は前年同月比で0.1%下落。日本銀行の異次元金融緩和以来2~3%に上昇してきたインフレ率は2015年4月には0.6%に下落、8月にはついにマイナスになってしまったのだ。

 日本のインフレ率は2009年以来、2012年までマイナスで推移。2013年6月には日銀の金融緩和を受けてプラスに転じたが、2015年8月に再びマイナスに陥ってしまったのだ。実は、デフレーション、あるいは、ディスインフレーションは日本のみではなく先進国共通の現象。アメリカでも2013年にはインフレ率は1.46%低下、2014年は1.61%、15年にはIMFの予測によると0.10%まで低下するとされている。イギリスも2013年に2.56%、2014年は1.46%、15年は0.13%の予測。ドイツは2013年1.60%、14年0.79%。15年は0.21%まで下落するとの予測。

記者会見する日本銀行の黒田東彦総裁=2015年8月拡大記者会見する日本銀行の黒田東彦総裁=2015年8月

 つまり、ディスインフレーションは先進国全体の最近の状況なのだ。多くの先進国は成熟段階に入り、成長率が低下するとともに、インフレ率も低下してきているのだ。

 2014年先進国地域全体の成長率は1.8%。15年には2.1%まで回復すると予測されているが(IMF・2015年7月の「世界経済見通し」)、かつての3~4%に比べると大きく低下している。

 例えば、アメリカの1990年代の年平均成長率は3.24%、80年代のそれは、3.14%だった。先進国の中ではアメリカは成長率が高いグループだが、それでも2013年は2.22%、14年は2.39%だった。80年代・90年代と比べるとほぼ1%低下している。成長率の低下に伴ってインフレ率も減少し、2013年のアメリカのインフレ率は1.46%、14年は1.61%だった。ちなみに、1990年代の年平均インフレ率は3.01%、1980年代のそれは5.5%だった。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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