2015年10月16日
2015年8月の消費者物価は前年同月比で0.1%下落。日本銀行の異次元金融緩和以来2~3%に上昇してきたインフレ率は2015年4月には0.6%に下落、8月にはついにマイナスになってしまったのだ。
日本のインフレ率は2009年以来、2012年までマイナスで推移。2013年6月には日銀の金融緩和を受けてプラスに転じたが、2015年8月に再びマイナスに陥ってしまったのだ。実は、デフレーション、あるいは、ディスインフレーションは日本のみではなく先進国共通の現象。アメリカでも2013年にはインフレ率は1.46%低下、2014年は1.61%、15年にはIMFの予測によると0.10%まで低下するとされている。イギリスも2013年に2.56%、2014年は1.46%、15年は0.13%の予測。ドイツは2013年1.60%、14年0.79%。15年は0.21%まで下落するとの予測。
つまり、ディスインフレーションは先進国全体の最近の状況なのだ。多くの先進国は成熟段階に入り、成長率が低下するとともに、インフレ率も低下してきているのだ。
2014年先進国地域全体の成長率は1.8%。15年には2.1%まで回復すると予測されているが(IMF・2015年7月の「世界経済見通し」)、かつての3~4%に比べると大きく低下している。
例えば、アメリカの1990年代の年平均成長率は3.24%、80年代のそれは、3.14%だった。先進国の中ではアメリカは成長率が高いグループだが、それでも2013年は2.22%、14年は2.39%だった。80年代・90年代と比べるとほぼ1%低下している。成長率の低下に伴ってインフレ率も減少し、2013年のアメリカのインフレ率は1.46%、14年は1.61%だった。ちなみに、1990年代の年平均インフレ率は3.01%、1980年代のそれは5.5%だった。
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