大学発ベンチャーの実力を比較する
2016年04月21日
世界景気の長期停滞が予測される中で、イノベーションの担い手として大学発ベンチャーへの期待が高まっている。育成に力を入れる日本、韓国、中国が目標とするのは、シリコンバレーの中心に位置するスタンフォード大学だ。むろん、3国とも現状はその足元にも及ばないが、ここ10年ほどの間に各国の力の違いが際立ってきた。
東大ベンチャーとして有名な「ユーグレナ」(出雲充社長=写真)は昨年4月、金融機関などと共同で次世代ベンチャーを支援するファンドを設立した。ベンチャーで成功した企業や経営者が、今度はベンチャーを支援する側(エンジェル)に回るという好循環が、ようやく生まれた。
本欄の執筆者の鎌田富久氏(TomyK.代表)は、東大理学部在学中にIT企業を創業し、2011年に50歳で退任した。今は自分の経験をもとに、ロボット、宇宙、生命科学、人工知能など東大ベンチャー10社を資金面で支援するエンジェルとして活躍中だ。
鎌田氏は「いま社会的なイノベーションが望まれているが、大企業は動きが遅く、ゼロから新しいモノを生み出すことができず、限界が来ている。その点、ベンチャーはITの発達で起業のハードルが低くなった。日本発で世界初になるようなキーテクノロジーを育てたい」と、現状打破への期待を語る。
東大は2004年の国立大学法人化を機に、ベンチャーに出資するファンドや、大学の特許を産業界にライセンスする組織を設立した。さらにベンチャー志望の学生向けに「アントレプレナー道場」を開き、毎年200人以上が参加するまでになった。
その成果が今、次々と出ている。
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