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憲法改正に向け真剣な議論を

憲法は不磨の大典ではない。時代の流れに沿って修正されるべきだ

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 憲法改正論議と世論の動向

参院の憲法調査特別委員会で答弁する安倍首相拡大参院の憲法調査特別委員会で答弁する安倍首相

 憲法改正についての議論が本格化してきた。そして世論も「改憲を議論すること」に前向きだという。

 2016年7月11~12日に実施された読売新聞の調査では、70%が国会で憲法改正に向けた議論が活発に行われることを期待していると答えている。同月行われた毎日新聞の調査でも、51%が秋からの国会で議論を始めるべきだと答えている。

 日本国憲法は1946年2月3日から12日の9日間でGHQの民政局によって作られたものだ。作成の基本になったのがいわゆるマッカーサー3原則。(ⅰ)天皇を「ヘッド」とする、(ⅱ)戦争と陸海空軍を持つ機能の放棄、そして(ⅲ)華族制度等「封建制度」の廃止だった。

 第2項によって日本はいまだに陸海空軍は持つことはできないが、いわゆる芦田修正(憲法第9条の1項冒頭に「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を希求し」を挿入し、第2項冒頭に「前項の目的を達するために」を挿入)によって自衛隊を保有することは可能になったのだった。

 自衛隊はすでに陸上自衛隊・海上自衛隊・航空自衛隊を有し、総兵力は約24万人、軍事費も469億円(2009年)と世界で7番目の規模になっている。

 安倍内閣が集団的自衛権行使容認等を柱とする安全保障関連法案を成立・施行させ、もはや、自衛隊は名称はともかく立派な軍隊だということができるのだろう。

 とすれば、憲法9条を改正して、自衛隊を正式な軍隊とすることが必要なのではないだろうか。前記の集団的自衛権行使容認については憲法9条違反だという議論がなされているが、そうならば、むしろ憲法9条を改正して陸海空軍を正式に持てるようにするのが筋というものであろう。

国の基本法を変えるのはむしろ自然だ

 占領下でGHQによって作られた日本国憲法はこの70年間まったく改正が行われていない。これは異例なことで他の先進国は戦後何度も憲法改正を行っている。

 アメリカ6回、イタリア15回、カナダ18回、フランス27回、そしてドイツ58回だ。時代の流れに沿って国の基本法を変えるというのはむしろ自然なことで、日本がまったく改正していないというのはかなり異常な状態だといわざるをえない。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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