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1週間後に迫った米大統領選の行方

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 ワシントンのインサイダー VS 政治のニュー・カマー

演説するドナルド・トランプ氏演説するドナルド・トランプ氏
テレビ討論会に臨むヒラリー・クリントン氏=ロイターテレビ討論会に臨むヒラリー・クリントン氏=ロイター

 アメリカの大統領選挙があとほぼ1週間、11月8日に行われる。民主党の候補はヒラリー・クリントン、共和党の候補はドナルド・トランプだ。ヒラリー・クリントンは元ファースト・レディー、夫のビル・クリントンは1993年から2001年まで大統領を2期務めている。ヒラリーは1969年、エール大学ロースクールでビル・クリントンに会い1975年に結婚している。

 ヒラリーは2001年にニューヨーク州から上院議員に立候補し当選、2009年まで上院議員を2期務めている。ヒラリーは2008年に大統領選出馬を表明、当初は人気や集金力も群を抜いていたが、最終的にはバラク・オバマ現大統領に破れることになってしまった。

 また、2009年にはオバマ大統領のもとで国務長官を務めている(2009~2013年)。ヒラリー・クリントンは華麗な経歴と長い経験を持つワシントンのインサイダー。多くの面でこうした経験はプラスだが、逆に「古い」政治家との印象を与えてマイナスに働くことも少なくない。

 この点、ドナルド・トランプは政治の世界ではニュー・カマー。2015年6月16日、大統領選挙に共和党から立候補することを表明、当初は過激な発言等もありマイナーな候補と見られていたが、次第に力をつけ、ついに共和党の大統領候補にまで登りつめたのだった。

 初めての政治進出ということで、逆に、「変化」を望む多くの有権者の支持を受け、ライバルのテッド・クルーズやジョン・ケーシックを破ったのだった。当初、共和党主流派はトランプを支持していなかったが、トランプ人気の急上昇で態度を変え、2016年9月にはテッド・クルーズもトランプ支持を表明した。

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