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副業解禁で自分の人生をデザインする

会社にもメリット、人材の企業間の共有で経済の底上げも

加藤健太 エンファクトリー社長

「専業禁止!!」が会社の人材ポリシー

 「一億総活躍社会」というより、「一億総自立社会」と言った方がピンとくる。

 この標語が出てきたときに思ったものだ。

拡大「働き方改革に関する総理と現場との意見交換会」で、参加者と話す安倍晋三首相(中央)=首相官邸
 バブル崩壊前後に社会人となった自分は、そこからの20年間、不動産、証券、銀行、そして一流メーカー、もちろん、新卒入社したリクルート、様々な業界、会社が、末端の従業員のあずかり知らないところで、企業の存続が危ぶまれるようなことが起きてきたのを頻繁に見てきた。

 エンファクトリーは2011年4月、東日本大震災の余震のさなかにオールアバウトから新設分割した会社である。

 リーマンショックの影響を受け、そこからさらに不安定になる経済環境、そんな時代でも高度経済成長、人口ボーナス時代を引きずったままの年金や保険、税金などの社会システム。

 一方でインターネットメディアやSNSなどを通じ様々な情報に接する機会は増え、そしてキャリアにおける個人の自由度、選択肢はますます広がっている。

 そのような不安定で不確実な世の中で、何も知らずに与えられたレールや既存の社会システムの上に乗るのは非常に危うくないだろうか。かと言って、自分自身の人生をどうデザインしていけばいいのだろうか、そしてそれをデザインできるだけのライフデザインリテラシーともいうべき能力は備わっているのだろうか。(図1)

拡大図1

 片や企業側、工場などの有形資産が企業価値の源泉だった時代から、人的関連資産を中心とする目に見えない無形資産がその中心になるなか、人材と企業の関係性は時代に適応できてきているのだろうか。(図2)

拡大図2

 会社設立以来掲げている人材ポリシーである「専業禁止!!」というのは、単純に複業・副業やろう!という話ではなく、このような時代背景の中、個々人の自立に向け、自身のライフデザインリテラシーを高めるための外部機会を提供していこうという試みである。今の時代を生きて、そして活きていくためには自身が「生きる、をデザイン」することが大切だと考えこの人材ポリシーを掲げたのである。

リーダー人材の育成につながる副業解禁

 実はこのポリシーを掲げた当初は、従業員と企業の関係性をイコールパートナーであり、お互い誠実な関係性であろうと考えていたものの、会社のメリットは一切考えていなかったというのが正直なところだ。

 しかし、数年を経ると明確な会社へのメリットが見えてきた。

 まずは言わずもがな人材の成長、特にリーダー人材の育成である。

 我々の言う複業(パラレルワーク)は副業ではなく、自らが主体となり事業やサービスを提供し、お客様と対峙し、収支を見て、確定申告をする、すなわち単なる労務時間の提供ではなく、あたかもミニ経営者としての立場でやってみようという試みで、それでこそ「生きる力、活きる力」が身に付くものだとしている。そして、

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筆者

加藤健太

加藤健太(かとう・けんた) エンファクトリー社長

1966年、三重県生まれ。リクルートを経て、AllAboutの創業メンバーとして経営全般を担当し、取締役兼CFOとして2005年に IPO。その後、現在の株式会社エンファクトリーを分社し代表に就任。エンファクトリーでは「ローカルプレナー(※)のための自己実現ターミナルの創造」を目指し、また、「専業禁止!!」という人材ポリシーを打ち出して、関わる人々すべての「生きるを、デザイン」を応援中。 ※ローカルプレナーとは専門家やフリーランス、つくり手はもちろんのこと、企業に勤めながらパラレルワークやNPO・ボランティアなどを通じ、自己実現に向けて自ら生活や、働き方や生き方をデザインし、実行する人々を総称する造語。