会社にもメリット、人材の企業間の共有で経済の底上げも
2017年01月04日
「一億総活躍社会」というより、「一億総自立社会」と言った方がピンとくる。
この標語が出てきたときに思ったものだ。
エンファクトリーは2011年4月、東日本大震災の余震のさなかにオールアバウトから新設分割した会社である。
リーマンショックの影響を受け、そこからさらに不安定になる経済環境、そんな時代でも高度経済成長、人口ボーナス時代を引きずったままの年金や保険、税金などの社会システム。
一方でインターネットメディアやSNSなどを通じ様々な情報に接する機会は増え、そしてキャリアにおける個人の自由度、選択肢はますます広がっている。
そのような不安定で不確実な世の中で、何も知らずに与えられたレールや既存の社会システムの上に乗るのは非常に危うくないだろうか。かと言って、自分自身の人生をどうデザインしていけばいいのだろうか、そしてそれをデザインできるだけのライフデザインリテラシーともいうべき能力は備わっているのだろうか。(図1)
片や企業側、工場などの有形資産が企業価値の源泉だった時代から、人的関連資産を中心とする目に見えない無形資産がその中心になるなか、人材と企業の関係性は時代に適応できてきているのだろうか。(図2)
会社設立以来掲げている人材ポリシーである「専業禁止!!」というのは、単純に複業・副業やろう!という話ではなく、このような時代背景の中、個々人の自立に向け、自身のライフデザインリテラシーを高めるための外部機会を提供していこうという試みである。今の時代を生きて、そして活きていくためには自身が「生きる、をデザイン」することが大切だと考えこの人材ポリシーを掲げたのである。
実はこのポリシーを掲げた当初は、従業員と企業の関係性をイコールパートナーであり、お互い誠実な関係性であろうと考えていたものの、会社のメリットは一切考えていなかったというのが正直なところだ。
しかし、数年を経ると明確な会社へのメリットが見えてきた。
まずは言わずもがな人材の成長、特にリーダー人材の育成である。
我々の言う複業(パラレルワーク)は副業ではなく、自らが主体となり事業やサービスを提供し、お客様と対峙し、収支を見て、確定申告をする、すなわち単なる労務時間の提供ではなく、あたかもミニ経営者としての立場でやってみようという試みで、それでこそ「生きる力、活きる力」が身に付くものだとしている。そして、
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください