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成長率を下げた世界経済

 2015年~16年は原油価格をはじめとするエネルギー・資源価格が大幅に下落したことから、ロシア・ブラジル等の資源輸出国がマイナス成長に落ち込み(2015年・ロシアはマイナス2.8%、ブラジルはマイナス3.8%、2016年はロシアはマイナス0.2%、ブラジルはマイナス3.6%)、世界経済全体の成長率は2015年には3.4%、2016年には3.2%まで下っている。

 2016年にはアメリカを始めとする先進国経済も15年の2.1%から1.7%まで成長率を落としている。アメリカは15年の2.6%から16年には1.6%へ、イギリスは2.2%から1.8%へ、そして、日本は1.2%から1.0%に成長率を下げているのだ。

 ただ、2017年に入ると資源価格は回復基調に向かい、石油価格(WTI)は16年の1バレル43.23USドルから17年には50.07USドルへ、鉄鉱石価格もトン当たり2016年の1ドル58.57USドルから17年には74.45USドルまで上昇してきたのだった。資源価格の回復とともに資源輸出国の経済も持ち直し、ロシアもブラジルもプラス成長に戻したのだった。

2040年にはインドがアメリカを抜くだろう

昨年2月、製造業を強化する「メイク・イン・インディア」について力説するモディ首相=ロイター 拡大昨年2月、製造業を強化する「メイク・イン・インディア」について力説するモディ首相=ロイター

 2017年10月のIMFの予測によると、2017年のロシアの成長率の1.8%、ブラジルのそれは0.7%とされている。2018年もプラス成長が続くとされ、ロシアは1.6%、ブラジルは1.5%との予測だ。世界経済全体も上昇し、2017年には前年の3.2%から3.6%へ、18年は3.7%に上昇すると見通されている。

 プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の2017年2月7日の予測によると、2016~2050年はアジアの世紀になるという。この34年の間で最も高い成長率を達成するのが、ベトナム(5.3%)、インド(4.9%)、バングラデシュ(4.8%)、パキスタン(4.5%)、フィリピン(4.3%)とトップ5はアジア諸国。これに、ナイジェリア(4.2%)、エジプト(4.3%)および南アフリカ共和国(3.8%)が続くとされている。ちなみに、中国のこの間の年間平均成長率は3.4%になっている。

 こうした成長率が達成される結果、2050年のPPPベースのGDPは中国がトップで58兆4990億米ドル、インドがナンバー2で44兆1280億米ドル、アメリカ(34兆1020億米ドル)、インドネシア(10兆5020億米ドル)、ブラジル(7兆5400億米ドル)、ロシア(7兆1310億米ドル)、メキシコ(6兆8630億米ドル)、日本(6兆7790億米ドル)と続いている。2016年には中国に次いでアメリカがナンバー2、インドがナンバー3だったが、2040年代にインドがアメリカを抜くと予想されているのだ。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) 青山学院大学特別招聘教授、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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