メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

2018年の為替相場はどうなる?

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

「世界経済が順調に景気回復を達成する」と世界銀行

ホワイトハウスで1月10日、ノルウェーの首相との共同会見で記者からの質問に答えるトランプ米大統領=ワシントン、ランハム裕子撮影 ホワイトハウスで1月10日、ノルウェーの首相との共同会見で記者からの質問に答えるトランプ米大統領=ワシントン、ランハム裕子撮影

 2017年円ドルの年間の平均レートは1ドル112.09円、1ドル110円前後から1ドル115円前後のレンジで推移した。2016年に比べて(2016年の年間の平均レートは1ドル108.79円)かなり円安に振れたのだった。

 これはアメリカ経済が2017年、16年に比べて若干強い成長を示したことを反映してのことだった(2016年の成長率1.5%2017年の成長率2.3%)。

 2017年のユーロ圏の成長率は2.4%、日本のそれは1.7%だったので、先進国のなかではアメリカがユーロ圏とともに高い成長率を達成したのだった。

 世界銀行は毎年2回「世界経済見通し(GEP)」を発表しているが、2017年、2018年は世界経済が順調に景気回復を達成すると予測している。

先進国の中では最も成長率が低い日本

 直近の見通し(2018年1月)によると2017年の世界経済の成長率は3.0%、2018年の成長率は3.1%と予測している。2016年の2.4%からは大きく上昇しているのだ。先進国全体の経済成長率は2017年2.3%、2018年2.2%としているが、中でもアメリカの成長率が高く、2017年2.3%、2018年2.5%との見通しだ。ユーロ圏は2017年2.4%、2018年2.1%、日本は2017年1.7%、2018年1.3%。先進国の中では日本が最も低い成長率とされている。

 日本の経済成長率は2000年から2017年の平均で0.91%と、このところ1%を切っている。日本の成長率は高度成長期(1956~73年度)には年平均9.1%、安定成長期(1974~1990年度)には年平均4.2%だったが、1990年以来は1%前後となり、2000年代に入っては、前述したように、年平均0.91%と1%を切るようになってしまったのだ。

・・・ログインして読む
(残り:約1451文字/本文:約2242文字)