2018年03月14日
2016年6月23日に行われた国民投票でイギリスはEU離脱を決定した。デービッド・キャメロン首相は残留を支持し、残留賛成の投票を呼びかけたが、僅差(きんさ)だったが、離脱票が残留票を上回ったのだった。
離脱支持が増加したのは難民問題の深刻化だったと言われている。EU域内は原則的にモノ・カネ・ヒトの移動は自由なので、イギリスに東ヨーロッパや北アフリカからかなりの数の難民が流れ込み、それに世論が反発して、離脱を選択したのではないかとされているのだ。
この結果を受けてデービッド・キャメロン首相は辞任を表明し、2016年7月13日、テリーザ・メイ前内務大臣が首相に就任した。テリーザ・メイ首相はマーガレット・サッチャーに続く、イギリス2人目の女性の保守党首かつ首相。現在、離脱交渉をEUと精力的に行っている。
ドイツでもEU離脱を最大の目標にしている「ドイツのための選択肢」(AfD)が力をつけてきている。アンゲラ・メルケル首相の与党CDU/CSUが246議席を有しているが、AfDは94議席にまでせまってきている。そのため、CDU/CSUは第2党のドイツ社会民主党(SPD)の連立を目指し、政権協議に入り、SPDが了承したことから、メルケル首相のもとで大連立が成立することとなった。
フランスでは2017年4月から5月に大統領選挙が行われ、新政党「共和国前進」(アン・マルシェ)のエマニュエル・マクロン前経済・産業・デジタル大臣が決選投票で「国民戦線」(FN)のマリーヌ・ル・ペン候補を大差で破り大統領に就任した(決選投票の66.10%を獲得)。ル・ペンFN党主はEUの共通農業政策からの離脱等を主張していたが、マクロン大統領はEUを支持、「強いフランス・強い欧州」を目指しているとされている。少なくとも今のところ、フランスではEU離脱の動きは少数派にとどまり、ドイツやイタリアのように加速はしていない。
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