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ムーミンの国が挑むベーシックインカム

世界から称賛される高福祉・高負担の「北欧モデル」にほころびはないのか

伊藤裕香子  朝日新聞論説委員

 今年の大学入試センター試験で、作品の舞台はどこかを問う出題が大きな話題になった「ムーミン」。フィンランドの首都ヘルシンキから車で2時間ほど、タンペレ市にあるムーミン美術館(日本語サイト)には、訪れる外国人の中でも日本人の姿がひときわ目立つという。

 案内してくれた学芸担当員のミンナ・ホンカサロさんは、「高福祉」の取材で訪ねたことを知ると、「ムーミンのお話は、互いに思い合い、いたわり合う、ある意味フィンランドの社会保障制度が反映されたものですよ」と話してくれた。

 フィンランドは、失業や子育てのときなどの手厚い社会保障制度で知られ、国連の世界幸福度報告書の2018年版で世界1位になった高福祉国家だ。それでも、新たな課題の解決へ向けて、2017年1月から国を挙げてのある社会実験が続いている。

 政府が最低限の生活費を保障する「ベーシックインカム(BI)」と呼ばれる仕組みを入れ、失業者から2千人を選び、月560ユーロ(約7万3千円)を支給している。

 実験は、2年の期限である今年末で終えると決まっている。制度設計を担った社会保険庁平等社会計画担当部長のオッリ・カンガスさんは「実験できていること自体が、成功だと思っています」とさらりと話した。

拡大アルヴァ・アアルト建築の社会保険庁が入るビルは、建築ファンも訪れるちょっとした名所。外観だけでなく、内部も趣がある=ヘルシンキ

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筆者

伊藤裕香子

伊藤裕香子 (いとう・ゆかこ) 朝日新聞論説委員

1995年朝日新聞社に入社。静岡支局、盛岡支局、経済部、オピニオン編集部などを経て、2018年7月から論説委員。著書に「消費税日記 検証増税786日の攻防」。北欧では取材の合間にレンガづくりの教会を回り、その美しさに魅了された。

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